8月のお茶会は、新規の方が3名来てくれました。
今回は、「年代別の味の違いを楽しむ」というテーマで
台湾茶の「文山包種茶(ブンサンホウシュチャ)」でした。
・1種類目 今年の(2011年)文山包種茶
このお茶は、発酵が10%位というとても発酵が浅いお茶です。
花の様な香りを放ち、清々しい味わいから別名「清茶」とも言います。
渋みも無く、すっきりとしていて、どこか緑茶を思わせます。
私は、このお茶を飲むと初夏をイメージするので、夏になると絶対に飲みたくなります。
皆さん一口飲む毎に「美味しい!」の連発だし、聞香杯を離さない人もいたり(笑)
この瞬間で私の緊張が一気に緩みます
・2種類目 1990年 文山包種老茶
老茶とは、1~2年に一度乾燥、焙煎を繰り返し熟成させたお茶。
10年以上経ったお茶の事を老茶(陳年茶)と呼びます。
今回のお茶は、その中でも20年以上の物でとても貴重です。
何と茶師さんの親子2代に渡って出来たお茶なのです。
普段飲んでる文山とは全く異なり、茶葉自体も杏の様な果実香を放ちます。
一口飲むと、フルーティさが単欉を思わせる味わいで、後からゆっくりと焙煎香が立ち込めます。
決して派手さはありませんが、重厚でありながら強すぎず、しっかりと歴史を刻んでるなぁと
奥深い味わいです。私は個人的に、なぜか自分の小さい時を思い出すような、懐かしい感じがします。
・デザート「愛玉(アイユイ)~マンゴー添え」
愛玉とは、台湾のみに自生している「カンテンイタビ」という植物の種から出来たゼリーみたいなものです。
一見ゴマみたいな風貌で、それを袋に入れて、水の中で揉んでると、その水がどんどん固まってきます。
ただ、時間がたつと離水するので、結構大変です。
勿論前夜に仕込みが出来ないので、今回は、朝から店でモミモミして作りました。
多分、最初で最後のデザートですね
離水という点で安定供給できないので、台湾でも寒天を使ったりしているところも最近はあるとのこと。
でもやっぱり本物は違います。
今回は、甘酸っぱいシロップで、マンゴーの下にはいちぢく煮が入っています。
余談ですが、実はこの種は、エスタの常連さんのSさんから頂いたものなのです。
一年前、まだ茶譜復活の話が出ない時に、彼女に会って色んな話をしました。
そして、この種で愛玉を作って皆に食べさせたいなぁと思ってましたが、
賞味期限もあるし、ダメなら自分で食べようと思ってました。
それが今回日の目を見たわけで、ちょっとした考え深いデザートだったのです。
・・・で、折角なので、喫茶デザートにも提供してたのですが、
凄い勢いで出て( ̄▽ ̄;)Sさんが来たときには、一足遅く、無くなり、
何と提供者の口には入りませんでした
まさかSさんが来るとは思って無かった訳で、しかも忙しくてあまり話せない有様
申し訳なく思ってたら、メールで、「満席で忙しそうにしているのを見て
自分自身の様に嬉しかったです」と。
(T0T)
今回二度目のウルっとした一幕でした・・・。