顕微授精の開始

 こんにちは。

 アクロビーズテストの結果、僕の精子には卵子の膜を破る能力がないことが判明したので、治療は顕微授精一択となりました。

 

 ドクター曰く、アクロビーズテストで引っかかる事は稀だそうです。

 僕の場合も、今まで受けた精子の一般的な検査では異常がなかったので、まさか自分に問題があるとは思ってもいませんでした。

 

 今回は、Cクリニックで受けた顕微授精について書いていきます。



 顕微授精に向けた採卵で2つの卵子が採れました。OHSSを避けるため、卵子を凍結して初回の移植まで期間をあけました。


 初回の移植は、着床しましたが4日後位で受精卵の成長が止まってしまいました。

 2回目の移植では着床もしませんでした。



 この頃は、顕微授精なら成功の可能性があると希望を持っていたのに2度続けて失敗に終わり、夫婦ともに気力が挫けてしまいました。

 金銭的にもメンタル的にも厳しい中で治療を続けるか、または子供を諦めて夫婦2人で生きていくのか、または、養子縁組や里親という可能性も視野に入れ、事あるごとに話し合いました。

 その時はハッキリした結論は出ませんでしたが、心身ともに妻も疲れているので、ひとまず治療を少し休むことに。

 

 しばらく治療から離れていたところ、Cクリニックの体外受精が令和4年3月で終わるとHPで見かけました。当時は令和3年12月の終わりだったので、治療するなら残り3ヶ月しかありません。

 妻と相談した結果、治療を受けられなくなる前に全力を尽くしてやれる事はやろう、ただし、次の顕微授精でダメだったら治療はもう止めよう、と。


 ラストチャンスとなる顕微授精ですが、凍結卵子は前回で使っているので、妻は採卵に向けて通院を再開。


 そして、いよいよ採卵が2日後に迫った、妻の一言。



 妻「何か喉が痛い」



 …その頃はコロナ第6波が始まった時期。

お互いに嫌な予感がしていましたが、妻の症状は喉の痛みだけでなく熱も出てきました。

 PCR検査を受けたところ、何とコロナウィルス陽性…家庭内で消毒、換気、隔離など対策しましたが、3日後には僕もコロナ陽性に。


 もちろん採卵は中止。

ラストチャンスと覚悟していたCクリニックでの顕微授精は受けることなく終わりました。


 

 コロナウィルスの毒牙は、最後の顕微授精に希望を持っていた僕たちの事情等、おかまいなしに襲ってきました。


本当に悔しかったです。


 見えない力が、子供を持つことを止めようとしているんじゃないか。

 こんな偶然が起きて治療が続けられないなんて、やはり子供は諦めるべきなのか。


 失意に沈み、やりきれない思いを残したまま、Cクリニックでの治療は終了となったのでした。


(続く)