息子が多分3歳くらいの頃、大失敗をしました。専業主婦の妻は息子とずーっと一緒に過ごします。うまくいかないこと、苛々すること、沢山あったと思います。この頃はまだ障がいが確定していなかった頃だと思います。

 仕事を終えて帰宅した私に、「やっと帰って来た。はい、これあげる」と、息子を差し出します。不機嫌そうな息子と不機嫌そうな妻。とりあえず息子を抱き上げてあやすと、少しずつご機嫌になります。何があったのかと妻に尋ねると、大変だったこと、うまくいかなかったことが次々と出てきます。私は冷静に話を聞きながら解決策を模索します。これ、まさに保護者面談の時の教師の姿勢です。問題点、課題を分析し、答えます。「じゃあ、こういう場合はこうしてみたら…。」妻はぶち切れました。「じゃあ、あなたがやって。」心の中で(あっ、いや、僕は仕事があるから…。)

私は考えました。妻が困っていることに対して解決策を提案したのになんでこうなるんだ???。

 翌日、職場で先輩の(主婦の)先生にこの話をしたら叱られました。「当たり前だ」と…。妻は障害児教育の専門家である私の意見(解決策)を聞きたかった訳ではなかったんです。正解は「遅くなってごめんね。大変だったね。ありがとう。」という妻の苦労に対する労いと感謝の言葉でした。

 これは、とってもとっても勉強になりました。保護者の方に対しても、生徒に対しても不愉快な思いをさせていたかもしれない…。正論・正解を求めているのではなく、気持ちに寄り添って欲しい、ということに気付かされました。もっとも、本当の意味で「寄り添う」ということに気付いたのは何年も後のことなのですが…。

 妻には本当に感謝です。気持ちに寄り添うこと、今でも日々学んでいます。男性の頭の中は論理的・効率的な思考に傾く傾向が強いようです。