
自分のものならともかく、どなたかに喜んでいただくもの、
お礼としてお金を頂くものに対しては厳しいものがあります。
ごくごく当然のことですが、毎日かみ締めていないと
忘れてしまうような、大切なこと。
亡くなった僕の祖父は戦前から鉄工所を営んでいました。
戦争が始まり多くの工場が軍事用の部品を作るようになりました。
祖父の工場も飛行機の部品を作るようになっていきました。
学徒動員で学生さんが送り込まれるなか、祖父は
工場に配給されるいろいろな食糧をみなに分け与えながら、
良品を納品し続けたそうです。
ほかの工場は学徒にただ働きをさせ、配給品を自分の懐に
入れていたため、良品を入れることはなかなかなかったようです。
というか、墓の工場は軍部と癒着していたため、不良品を納品しても
正規の金額をもらっていたというのです。
小さいころから何百回もこの話を聞いてきました。
物を作ること、信頼を得ること、本当に大変なことです。
信頼してくれた人を裏切るのは本当にたやすいことです。
鶏肉、牛肉、お菓子やらなんやらかんやら、
お客様を裏切る報道が毎日のように繰り返されています。
一生懸命物を作るのは当然です。
でも、その一生懸命が、気がつくとあせりになったり
苛立ちになったりしていると、間違った方向に向いてしまうのかも
知れません。
引き締めてものづくりに励まんといかんなぁ・・。
というお話でした。