夫とコロナの話をしていて、
「2020って覚えやすい数字だし、オリンピックもなくなって、こんな事態になって、きっと長年語り継がれる年になるね」って、何気なく言った。

それに対し、
「去年の思い出って全くなにも思い返せるものがないわ」と言い放った夫。

私にとっての2020年は、一生絶対忘れられない年。
母を失う恐怖で何日も眠れず、
居なくなってしまった寂しさで毎日泣き、
喪失感と孤独感で死ぬことも毎日考えた。

退院中にはランチしたり、実家で話をしたりもできた。
移植が順調で、退院できた母の元気な姿をみれて、
実家で一緒に過ごし、ベランダにプールをだして、
公園で花火して、母の作った料理を食べて、
どれがいいかなって一緒にパジャマやケーキを選んで、
春になれば一緒にここに行きたいねって、
テレビやネットで見つけた場所を教えあって、

去年までは当たり前の、
ずっと続くと思ってた些細な日常のやりとりも、
私にとっては最後の大切な思い出。

母が病気で辛い思いをしてるのに、
家族で旅行に行ってしまったときのことも、
3歳の娘はあの時だけだし、楽しかったし、
大切な時間だったけど、
でもあの時間を母に会うことに充てれていたらという後悔はこの先もずっと持ち続けると思う。

私にとって、きっと父にとっても、
これまでの人生でいちばん重い一年だった。

それを軽く「なにもない」と言われたこと、
悲しくてしかたなかった。

私たちの辛さは続くけど、
私たちの周りの人はもうそれに触れることもない。

仕方ないし、私も自分の母でなければ同じだった。

夫に対して怒りや責める気持ちはもちろんないけど、
ただ寂しくて悲しい。