関西桜ツアー19
(役行者絵伝-2)





役行者絵伝の続きです。(^^ゞ



第拾段(金峯山架橋)「鬼神を使役し、葛城金峯の両峰に橋を架けて結ばんとす」虹

葛城山(カツラギサン)も大阪と奈良の境の山。葛城山と金峯山とを結ぶ橋なんて、21世紀の今でも建設は無理ってもんでしょ?ガーン

絵伝では、峰と峰とが雲の橋で結ばれている。くもりくもりくもり
向こうの山とこちらの山で、鬼たちが斧やら鎌やら振り上げて架橋工事をしている。Σ(・ω・ノ)ノ!ドリル


ところが、面白いことに、『日本霊異記ニホンリョウイキ』他では、役行者が架けようとしていたのは「石橋」ということになっている。∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

引用:本
日本霊異記はじめ、役君形生記や徴業録などの開祖伝に伝えられる有名な挿話であります。それらによると、役行者が葛城山から金峯山にかけて石橋を架けよう、諸々の鬼神を使役したが、一向に仕事が捗らない。怪しんだ行者が問いただすと、葛城の峯の一言主神がその容貌が醜いため、昼間働かないからであった。怒った行者はこれを呪縛し、深谷に繋いだ。そこで一言主神は、行者は国家を窺うものとなして讒言し、これによって行者は伊豆島に配流された(後略)。
http://homepage3.nifty.com/enno-f/enno/enno_21.htm#10

葛城山の一言主(ヒトコトヌシ)の話も何かの古文で読んだ記憶がある。昔の人にはメジャーな話だったんだろうね。サーチ

それにしても、「一言主」って、その名前から察するに神道系だよね。
仏教系の役行者が神道系の一言主を働かせ、その怠惰を懲らしめるなんてのも、なんだか思惑たっぷりな話ではないか?むっはてなマーク



第拾壱段(伊豆配流)「弟子韓国連廣足、師の法力を妬み調停に讒訴して罪を得る」

弟子が師の法力を妬み”って、すっごく変な話ではない?∑(-x-;)
師が優秀な弟子の力を妬むというのなら、まだあり得る気もするが……。
また、師を売った裏切り者が、わざわざ「韓国」が絡んできているのも、なんだか怪しい。むっ


役行者が伊豆に流されたのは史実らしいが、メモ
その原因となると、
葛城山の一言主の讒訴に拠るものと、サーチ
弟子の韓国連廣足の讒訴に拠るものと、サーチ
その他にも
多少のバリエーションがあるようだ。目



そもそも「韓国連廣足」って、何か?!?

色々サイトを見ても判然としなかった。┐( ̄ヘ ̄)┌
韓国人の「連廣足 レンコウソク?」という名前なのか?
あるいは、「韓国連」なる韓国方面を専門に取り締まる部署か何かがあって、そこで働く「廣足ヒロタリ」さんという人なのか?!?


外従五位下韓国連廣足」と表記してあるものはあったが、この意味が私にはわからない。叫び



大宝律令(701年制定)の冠位にこの称号を見つけた。ベル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A0%E4%BD%8D%E3%83%BB%E5%AE%98%E4%BD%8D%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%A4%89%E9%81%B7

「外」というのは「地方の有力者や外国人に与えられる官位」だそうだ。サーチ

「外位」は五位から始まり、六位、七位と下がっていく。ダウン
で、「正」の次が「従」。
で、「上」の次が「下」。

つまり、「外―従-五位-下」という位は、外国人ランクキングでは上から4番目のかなり高い地位じゃん!!(=◇=;)


つまり、「外従五位下韓国連廣足」は、外人である韓国人で、連というかなりハイレベルなランクの「廣足 ヒロタリ=帰化名?」ということかな?

こうしたおそらく社会的に地位のある人が、なぜ優婆塞(ウバソク)の役行者の弟子になったのだろう?!?
そして、なぜ役行者の力を妬むことになったのだろう?!?


役行者について、伝説は多いようだが、明確に記録されていることは少ないようで、

小角(オヅヌ=役行者)能ク鬼神ヲ役使シ、水ヲ汲ミ薪ヲ採セ、若シ命ヲ用イザレバ即チ呪ヲ以テ之ヲ縛ス。
http://homepage3.nifty.com/enno-f/enno/enno_21.htm


ううむ。命令を聞かなかったものを「縛す」とはどういうことなのだろう?Σ(゚д゚;)
“呪縛”したのかな。
それとも、縄でスルスルッとあっという間に縛り付けたのかな。
だとしたら、魔術師のようだ。

どのみち、
水を汲めとか薪を拾えとか、そういう仕事を言いつけて、自分の言うことを聞かないものは呪術でもって懲らしめ、自分の言うことを聞かせる……

これって、いかがなものか。むっ

徳を積んだ人のすることにも思えないのは、私だけ?( ̄□ ̄;)



               (18へ)   つづく  (20へ