この5月28、29日の土日を利用して、喜多方(きたかた)に、友達と夫と3人でドライブ旅行にいってきました。


喜多方といったら、福島県、会津の 「ラーメンの町」 「蔵の町」 。酒蔵やラーメン屋がたくさんあります。で、ラーメンと酒蔵見学してきました。


高速から見える 「会津磐梯山(あいづばんだいさん)」 を通り過ぎ、 「喜多方」 へ入り、まずは、ラーメン屋へ。喜多方のラーメン屋は、おもしろいことに 「ラーメン屋」 とはなっていません。多くは 「○○食堂」 などという名前になっているのです。 「坂内」 などは全国チェーン展開しているのでよく知られているでしょう。


店の数だけラーメンの味もあるようで、どこが一番美味しいかというのは、人々の好みによるようです。


友達お勧めのラーメン屋に連れて行ってもらいました。丁度昼飯時で行列ができていましたが、入ってみました。もちろん、美味かった。


私は喜多方ラーメンの麺がとくに好き。関東圏内では 「喜多方ラーメン」 というと 「しょうゆ味+チャーシュー」 という感じなで、 「塩味」 を試してみました。美味かったです。


次は、友達がお世話になっている酒蔵(さかぐら)の酒造工場へ行きました。


工場の開け放たれた2階の窓からは、向こうに山々が連なって見えます。その山々の中で最も高い山、「飯豊山(いいでやま)」は眩しかったぁ。雪を被ってゆったりと横たわっているのです。夏になっても山頂の雪は消えることがないそうで、きらきらきらきら陽を受けて光り、それはそれはきれいな山です。どうやら、飯豊山の山頂の方に会津の水源があるそうです。


工場のすぐ横には 「押し切り川」 という川が、これまた陽を浴びてきらきら眩しく光を放って流れていました。浅瀬は歩いて渡れるところもあるそうで、川底が見透かされるようなきれいな川です。まばゆくきらめきながら、さわさわ軽やかに水音を立てて流れていきます。川のせせらぎというのはいいもんです。さわさわさわさわ、柔らかい川音は聞き飽きることがありません。


せせらぎに耳を澄ましていると、飯豊山の湧き水が細い小川となり、渓流となり、町へ降りてきて、 「押し切り川」 となって町を貫き、町全体を潤していく・・・・・・そんな水の旅路が想われ、水と街の広がりが想われ、水の交響曲に耳を澄ます想いがします。


酒造工場の方はまだ稼動していないので、なにやら立派な近代的機器が並んでいるのを眺めて終わりました。


しかし工場に一歩入った途端、お酒のやさしい香りが漂ってきたのでした。工場内にあるタンクのひとつに酒母(しゅぼ)が発酵を続けているのでした。やがてくる酒造りに使われるのでしょう。


今は田植えの時期なので、 「酒を造るための米」 を作る時期なのでした。工場長も杜氏(とうじ)さんも田植えをするのだそうです。


米があり、水があり、人の知恵と手間と忍耐と情熱と、自然のめぐり合わせと 「時」 が適って、ようやく酒はできるわけです。


そしてそれを美味い美味いと飲む私のような 「呑ん兵衛」 がいるから、需要と供給のバランスが保て、すばらしい酒造りの文化が受け継がれていくわけです。

くわけです。


私の友達は田植えや草刈や稲刈りや実際の酒造りなどに参加していますが、私は 「おいしく飲む!」 という行為によって、酒造りに参加しているというわけで、大観して酒造りに貢献しているといえなくもないわけで・・・・・・。


夕飯はその酒蔵の 「昔」 の酒蔵で、今は博物館になっているところに併設されている蕎麦屋に行きました。そこで山菜のてんぷらが食べられるというので、それが一番の私のお目当てでもあったわけです。


山菜は例年なら5月初旬が旬らしいのですが、今年の喜多方は寒い日が多く、山菜が遅れて、丁度5月末でも山菜がとれたということで、早速山菜をてんぷらにしていただきました。その蕎麦屋の店長が山菜採りの名人だっとことも幸いしました。


「タラの芽 ・ こごみ」 。これは結構有名ですね。


 「山葡萄 (やまぶどう) の新芽」 。葡萄の葉っぱなんて食べたことなかった。薄茶色のかわいらしい葡萄の葉っぱです。かすかな苦味がおいしい。

っぱです。かすかな苦味がおいしい。


で、 「はんごうそう ・ こしあぶら」 と来たら、もう何ですか、それはっ? って感じです。


で、 「よぶすまそう」 ! 四つの襖(ふすま)のような草かと思いきや、 「よぶすま」 とは 「ムササビ」 のことだそうです。で、なぜその草が 「よぶすま」 と呼ばれるのかは、よくわかりませんでした。ムササビが飛ぶ姿に似ているのでしょうか。


とにかく、どれも緑鮮やかに、さくっと揚がっていて、ほろ苦さがとても美味しい。


おまけにおつまみに頼んだ 「源泉豆腐(げんせんどうふ)」 という豆腐が、 「もぉぉぉぉぉぉぉっ、うまい! お代わり!」 としかいいようのない美味さ。これは普通の豆腐のようにニガリをどんと入れて固めるのではなく、海水を使って、海水の中に含まれるニガリで自然に固まらせるとかなんとか、魔法のようなことを、店主は教えてくれました。


なにはともあれ、まるで柔らかいチーズのようなまろやかな口当たり。濃厚な風味。しかしあくまでさらりと喉を通過していく。一


陣の風の如き、一掬の清水の如き、喉越し。醤油などかけないほうがよい。とにかく美味いのでありました。


山菜の浅漬けも色鮮やかで、ほろ苦さがちょうどよくて、うまい。蕎麦も田舎蕎麦で、蕎麦色も美しく、なおかつ瑞々しく、うまい!あああ、美味い美味い。


おまけに見学した酒蔵の杜氏の名を冠した 「安部伊立 (あべいたつ) 」 の 「無濾過・・・・・(なんとかかんとか)」 も、んまい! じつに優しいのに切れがある、たおやかなのにシャキッとしている、きれいなお酒です。


美味い美味いと感動していると、田植えを終え、他の打ち上げ (?) を一旦終わった杜氏と工場長と、田植えを手伝いに来ていた他の酒造りのメンバーの人々が合流して、なんだかみんなで2次会だぁ、3次会だぁと喜多方の夜の町を練り歩いたのでありました。


杜氏さんは75歳だとか。かなりなご高齢なのに、動きは俊敏。米俵もひょいひょい担ぐそうです。激しい重労働をこなしているのに、ひょうひょうと、ちょっと女好きなことを隠さず、わははぁと笑っているお茶目なおじいちゃん。その名も 「安部伊立」 。


なんか格好いい。いい響きだと感心していると、杜氏が生まれて、名前をつけようという段になったとき、 「伊龍」 と付けたかったのに、 父上だかお兄さんだかが、「龍」 の字が難しくて書けなかったので、一番簡単な 「立」 の字になってしまったのだと、また、あはあは大笑いする杜氏なのでした。


3次会で入ったカラオケスナックでは、いつの間にかママさんと曲に合わせてチークを踊っていたりして、「酒造り」のオフの日々を、米作りとの真剣勝負をしながら、あはあは大笑いして常にハイテンションのお爺ちゃんなのでありました。


なんだか漫然と書き連ねてしまいました。まだ3日酔いなので、あしからず。