カクさんこと桑原伸二なくして、
日仏シャンソン協会のコンサートは語れません。
特に、私が病に倒れ
演奏が出来なかった2人の歌手各々のリサイタルで、私の演出をはるかに超えた見事なものに仕上げてくれたことには感激。
全く個性の違う2人それぞれのステージを
感性と技術で創り分けた、まさに魔術師。
何度リサイタルの映像を見直しても、その冴えは色あせません。
名古屋巴里祭や各種シャンソン・フェスティバル、そして度重なるジャクリーヌ・ダノのステージでも、それは見事に発揮されてきました。
ダノは、シャンソン大使として日本各地での公演にカクさんの同行を希望。帰国すると自身の公演で「名古屋を見習うように」とその素晴らしさを賞賛。
ティベリ元パリ市長の「シャンソン都市NAGOYA」との発言につながったと言う。
言葉を大切に歌う「エルム」の歌手たちは
皆、彼の照明によって文字通り輝きを増して来ました。
パリの大スター達の公演に刺激を受けた私の演出を規模も予算も何もかも違う中で実によく目的を達成してくれたのです。
予算と言えば私が「こんな金額で申し訳ない」と言った時「それなら前日もホールを借りてくれると嬉しいな」との返答。
前日仕込みをし、夕刻にリハーサル。
翌日は、午前中に照明テクニカル・リハーサル。
昼にバンドのサウンド・チェックもそこそこにゲネプロ。
そして本番。
彼の芸術的な照明はこうして誕生したのです。