昨日7月23日に、
講談社から「しょうぎのくにであそぼう」(作/中倉彰子、絵・キャラクター原案/福山知沙)が
発売になりました!
この企画が持ち上がったのが2年前の2017年。
最初の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん」が出版されてから数ヶ月経った頃のことでした。
ちょうど藤井聡太四段(当時)29連勝で将棋ブームに世の中が湧き、
将棋を始めるお子さんが増えた頃です。
「次は未就学児向けの〝将棋入門絵本〟を作りましょう。」と
講談社さんからお話をいただきました。
元々一作目は「将棋をモチーフにした絵本を作ろう」と、中倉彰子さんと宏美さんが企画し、
私に話を持ってきてくださった絵本。
(それが2015年、もう四年も前のこと!)
アナウンサーとして将棋番組に携わるうち仲良くなった中倉姉妹、
わたしが美大出身で絵を描けることを思い出してくれたのです。
楽しい企画にワクワクして、
すぐに駒をモチーフにしたキャラクターが8人思い浮かびました。
絵本の形のラフを作り、
講談社の塩見亮さんの元に3人で何度も通って
修正したラフを提出し続けました。
もっと面白くして、なんとか形にならないか、
と模索を続けた一作目。
苦労してやっと出版に漕ぎ着けた!という感じだったので、
まさか何度も重版になったり、
ましてや二作目を作らせてもらうことになるとは
当時夢にも思いませんでした。
一作目の裏表紙に、本当に思いつきで描いたキャラクターの顔の形の駒。
塩見さんが「いつかこれをリアルに盤に並べたいですねー」と言うのを聞き、
それが叶ったら可愛いだろうなあ…、とボンヤリ思っていたのですが、
この二作目でそれが実現することに。
本当の駒の漢字も付いている新しい駒を使うことにしたのです。
一作目の評判を聞くと、
絵本を読んだお子さんたちがご自宅や将棋教室で「これはきんこちゃん(金)だからこうだよー」とか、
「ここはかっくん(角)だからー」など、
絵本を見ながらキャラクターの名前で駒を呼んでくれる子が多かったとのこと。
ラフ作りからずっとモニターとして協力してくれている、うちの息子もそう!
駒=キャラクター、として考えてくれています。
それはキャラクターを作った私にとって心の底から嬉しいことですが、
いつかは絵本から離れて漢字の駒だけを使う日が来ます。
なので今回の絵本に使う駒は、
子どもたちが認識しやすい形は残しながら
駒の漢字もいっしょに覚えられるように考えました。
今回の絵本は、駒の動かし方を覚えた後、
取る、成る、打つ、王手、詰みが分かるようになっています。
そして、その動きを絵に置き換えて表現しました。
子どもが感覚的に分かるように。
(これは私が将棋を覚えたての頃、
頭の中で思い描いていた図でもあります。)
こんな感じで基本をおぼえたあと、
彰子先生作の詰将棋(1手詰め)を解くのが
この絵本のゴールです。
成りの表現にも、注目していただきたいです^_^
変身するとみーんな、きんこちゃんと同じ動きになる!
そんなことをとにかく目で見て分かるようにしました。
それから、
「駒の価値」を視覚的に子どもに伝える絵も工夫しています。
友だちの子どもにもヒアリングした結果を生かしました。
伝わるといいな。
美大受験や美大生時代を通して周りの天才を見て、絵を描くことに自信を失ったこともありましたが、絵本を描かせてもらえることになるなんて。
大きな責任も、純粋な楽しさも全部噛み締めながら描きました。
主人公の幼いきょうだい。
モデルになってくれたのは私の姪と、息子です。
息子のおもちゃや、お気に入りの図鑑も描き込んでいます。
一作目の編集さんは塩見さん、
二作目を担当してくださったのは川崎萌美さんです。
一作目を読んで将棋の駒の動かし方を覚えてくださった川崎さん、
今では将棋にハマって初段に近づく勢いです。
すごくきめ細やかによく気がつく方で、
ラフが固まるまで相当全体の構成やテキストを一緒に悩んでくださいました。
原画の入稿が終わる頃、川崎さんの後任である酒井友里さんもチームに加わりました。
今回の作品のPR動画を川崎さんと酒井さんが作成してくれましたが、
手作りアイテムもこんなに沢山。
新入社員の酒井さん、初めての担当でこんなに色んなものを作ってくださいました。
(この写真、半目だったり、みんな違うとこを向いているけど、全員写っているのがこれしかありませんでした。。笑)
そして、LPSA理事として毎日頑張る中倉宏美さんは、絵本のプロモーションを担当してくださっています。
宏美さんが企画してくれた絵本刊行記念イベント。
8月12日に紀伊國屋書店新宿本店さんで開催します!
1回目 10:45開場/11:00開演
2回目 13:45開場/14:00開演
イベント内容
●将棋入門講座
本の読み聞かせとキャラクターを使っての駒の動かし方解説
(一回目11:00~ 二回目14:00~)
●リレー将棋 大きな将棋盤を使ってキャラクターにアレンジした駒を実際に動かしてもらいます。
(一回目11:30~ 二回目14:30~)
●絵本購入者対象にサイン会。
(一回目12:00頃~ 二回目15:00頃~)
定 員|一回目、二回目ともに各回親子12組
小さなお子さんに来ていただきたいです!
*サイン会は参加・見学自由
キャラクターのぬりえもプレゼントします!
会 場|紀伊國屋書店新宿本店9階イベントスペース
無料です。
店頭・お電話にてご予約を受け付けています。
ご予約電話番号:03-3354-0756
新宿本店6階児童書・実用書売場直通(10:00~21:00
最後に、
一作目に続き、二作目も帯のコメントを書いてくださった羽生善治先生。
ううう…「おすすめの絵本」て書いてくださったのを見て、
泣きそうになりました!
羽生先生ありがとうございました!
絵本に関わってくださった人は、
ここに書いただけでなく、
もっとたくさんいらっしゃいます。
こんなに色んな方々の力の結集で出来た絵本。
感謝しかありません。
描いているときは無我夢中でしたが、
本の形になって世の中に出てきてくれると、
より強く感謝の気持ちが溢れます。
「しょうぎのくにであそぼう」が多くの方に愛される絵本になりますように。
令和元年7月24日
福山知沙