21日火曜、静岡・浮月楼にて
リコー杯女流王座戦第3局の前夜祭が行われ、
高知での第1局、大阪での第2局に続いて司会を務めてまいりました。


静岡は、第3局を二連勝で迎えた加藤桃子女王のふるさと。
このリコー杯女流王座戦は第3期から毎年、ここ浮月楼にて対局が行われています。
7期全てに登場している加藤女王なので、静岡対局も当然、皆勤賞。
ファンの皆様が特に温かいムードで両対局者を歓迎してくださっています。

そして光栄なことにわたしも毎年こちらに来させていただいており、
浮月楼に来ると、「ああ今年もリコー杯真っ只中のシーズンだ!」と実感が湧くのです。


出演棋士のみなさま。

佐藤康光会長、青野照市九段、広瀬章人八段、中尾敏之五段、
藤田綾女流二段、室谷由紀女流二段。


そして、両対局者が意気込みを話す場面もありました。

里見香奈女流王座はカド番。
一生懸命考えて、自分の力を出し切りたいとお話ししていました。

一方、あと一勝でタイトル奪取の加藤女王。

大切なふるさと・静岡への愛に溢れたお話で、地元の期待に応えたい、というお話でした。

対局者退場後、第3局の展望などを先生方にお聞きしました。
広瀬八段には特に、あと一勝で、もしくはあと一敗で、運命が決まる立場それぞれの対局前夜の過ごし方についてもお聞きしました。
「出来るだけリラックスすること」の大切さを皆さんのお話から感じることができました。

前夜祭は盛況のうちに終了しました!


翌日、対局の日。

 
お庭の素晴らしい浮月楼は花嫁さんたちが和装で記念写真を撮るのに本当に素晴らしい場所です。

午前10時の対局開始を関係者の皆さんと見守りました。
対局開始に立ち会うのはもう何度目かですが、
始まるまでの、この息を吸うのさえ憚られるほどの静寂はなかなか普段味わうことはありません。
そして、タイトル保持者である里見女流王座が駒箱から駒袋を出し、駒袋から駒を出して、
それを対局者二人でゆっくりと盤に並べるその手つきが厳かで美しいな、といつも思います。

里見女流王座が空になった駒袋の紐を丁寧に蝶結びにして駒箱へ戻す仕草も道具への敬意が感じられ、
感嘆してしまいました。


それ以降は控え室や、大盤解説会場で観戦しました。


タイトル戦といえば、よく注目されるのが昼食やおやつ。
おやつは、リコー杯公式ブログ用に撮影されているときに便乗して撮ることができました。

撮影用サンプルとのことで、、
 
控え室にいた関係者の皆さんと一つずついただきました!
里見女流王座がオーダーしたアイスコーヒーのサンプルも、わたくしがいただきました( ´∀`)
美味しかった!

その後も控え室と大盤解説会場を行ったり来たりしながら観戦。
 
検討もたくさん見させていただきました。

18時前に加藤女王が投了。
終局後の対局場にもお邪魔し、全力を尽くして戦い抜いたことがひしひし伝わってくる、両対局者の表情も拝見してきました。

今回、対局開始から終局まですべてを見届けさせていただきましたが、
この経験はこれまでで始めてです。

この長い時間、盤を挟み続け勝負している両対局者を改めて尊敬します。
そして、このひとつの勝負を現地の大盤解説会やインターネット中継で解説する棋士・女流棋士がいて、
対局者とともに盤の前に座り続け記録を取る奨励会員がいて、
すべてを見守る関係者の方がいて、
対局者が快適に過ごせるように様々なサポートをする会場の方がいて、という様子を現地で見てきて、
改めてタイトル戦という場の気高さを感じました。

里見女流王座が一勝を返したこのシリーズの行方、
わたしもドキドキしながら見守りたいと思います。