加藤女流王座は昨年の第3局、大阪での対局を引き合いに出しました。伊藤沙恵挑戦者と持将棋となりましたが、そのときの夜遅くまで行われた対局を振り返り、「今年は里見さんということで、どうなるかは分かりませんが、私もいつもどおり、一生懸命戦っていきたいと思っております。」とおっしゃっていました。そして最後は「明日も、明るく元気に頑張っていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。」とと意欲を見せました。
里見女流四冠は前夜祭会場であるウエスティンホテル大阪のまわりをよく散歩しているそうで、「いつかこういう高級なホテルに泊まってみたいなぁと思っておりましたので、なんかもう本当にうれしい気持ちでいっぱいです。」とリラックスした表情で話し、会場もほんわかしたムードにつつまれました。
最後は「明日の対局は、とにかく盤上に集中して一生懸命考えて、自分の力を出しきりたいと思います。」と締めくくりました。
両対局者の退場後、広島で指された第1局を、
そして最後は、イベントなどに出演の棋士、女流棋士の皆様に第2局の展望や戦型予想などをわたくしからお聞きしました。
大阪での女流王座戦の対局会場は、いつも料亭・芝苑さん。
こちらでの対局は今回初めて見学させてもらいました。
将棋が大好きな女将さんがいること、お料理がとても美味しくミシュランガイドにも載る名料亭だということ、関係者皆様からすばらしいところだといつも伺っていましたが、
本当にその通りの素敵なところでした。
木目の模様の入り方で、将棋盤の格がわかることや、駒の文字を掘ってそこに漆を埋めたり、漆をさらに盛り上げたりするのもあってより格が高いのは後者だということも教えてくださいました。
ほか、将棋界の師弟関係について、色々な門下の方にお話を聞くのが楽しみなもので、東先生に修業時代のお話をお聞きしました。
(ちなみに、芝苑の女将さんは東先生のお師匠様に習ったということで、そういう意味では同門です、と東先生はおっしゃっていました。)
ふと対局室が映るモニターを見ると、対局開始に備えて盤や駒台を丁寧に丁寧に拭く記録係の方の姿。
そして大盤解説や指導対局を行う若手棋士のみなさんも、テキパキ準備を進めておられるのを見て、
この五番勝負を支える人たちはたくさんいて、それぞれが自分の持ち場で丁寧にお仕事をされているのを感じました。そうした中で、最高の勝負が始まるんだなあと感動してしまいました。
対局開始の15分くらい前に対局室へ。
静寂のなかで立会人の淡路先生や主催のリコーの方々、そして新聞解説を書く先生方とともに、
正座して対局者を待ちました。
加藤女流王座が先に部屋に入り、そのあと里見挑戦者が入り。その都度カメラのシャッターがパシパシパシパシっと切られました。
駒をならべるときもシャッター音パシパシッ。
そしてならべ終わったあとは、ひたすら静寂。
実際三分くらいなのかもしれませんが、
毎回とても長く感じるこの時間。
静かすぎて、
呼吸したり、唾を飲み込むことすら遠慮がちになってしまいます。
10時の対局開始を見守りましたが、わたしの位置からは盤上が見えませんでした。
五分後くらいに部屋を出て大盤解説会場へ。
こちらはお客様が入る前の写真です。
立派なお部屋です!
こちらは淡路先生と東先生が検討の盤に向かっているところ。
糸谷八段(今期は広島からご一緒して、お師匠様思いで仲間たちの面倒見がとても良い様子を見てすっかりファンになりました!)も加わっていました。
序盤なのでまだ他の先生たちは集まっていませんでした。
先手の里見女流四冠 中飛車
後手の加藤女流王座 居飛車穴熊
私は午前中で大阪を出なければならず、
このあたりで失礼してしまいましたが、
料亭の雰囲気や、一流の道具に囲まれ、
そして関係者の方々のこの五番勝負への思いを感じ、
なんだかとても清らかな気持ちで東京に帰りました。
勝負は、里見女流四冠が勝利で、これで2連勝。
加藤女流王座はあとがなくなってしまいましたが、第3局はホームの静岡!
どんな勝負になるのでしょうか。
また私は前夜祭で司会をさせていただくことになっています。
私は私の持ち場で心をこめて仕事をしたいと思いました![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
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