何もないから書かないのではない
書くことが多すぎて
書ききれなくて
書く時間がなくて
書きそびれて
書かずじまいで
あっという間に
時間だけが過ぎていく
時間が過ぎていくということは
あたしは
1分、1時間ごとに
年をとって
もう
若いころには戻れなくて
わたしは
土に近づいていく
あたし
あんなに夢があったのに
あんなにやりたい事がいっぱいあったのに
もっともっと
世界は広いって思っていたのに
あたしの世界は
意外に狭かった
こんなに狭いなんて
本当に思わなかった
びっくりしちゃうよ
足元の
座蒲団一枚の上に
たってるんだ
あたしは
がんばっても報われないことなんて
山ほどある
報われることのほうが
確率は低い
そう
どうしようかな
最近そう思うよ
時間は限りがある
あとどのくらい
時間はあるんだろ
ほとんど会社で働いてるあたしに
あと
どのくらい
自由になる
時間があるんだろ
今日はねながら会社の廊下
歩いてた
大丈夫か?
あたし。
死ぬのか?
や~~~
でも大丈夫
あたし結構死なないから
今日の雨はね
久しぶりに
雨の香りがした
会社を出たとき
「あ・・・・・・」って
思った
雨の香りが変わったからだ
夏の間と
夏の後の
雨の香りと
全然ちがう
秋の雨
秋らしい雨の香り
「ああ、
そうなんだ
秋なんだ」
あたし
今日そう思った
こうして
時間は過ぎ去っていく
もったいないから
通り過ぎていかないよう
過ぎていく時間を
ポケットにしまっておきたい
あたしは
いつか
振り返る日が来るんだろうか
振り返る余裕があるんだろうか
多分
半分寝たまま
あたし
いろんなものを
ぽろぽろ
ポケットから落としながら
細い
あたしの人生を
疲れきって
進んでいくんだな
なんとなくそんなことを思わせる
今日の雨だ
おやすみなさい