■10 川面千晶 コラム
『昨日の気になるさん』
「ヨーロッパ企画という劇団 前編」

ヨーロッパ企画、公演中なのです。
ただいま滋賀、京都、高知、東京が終わり、大阪公演中でする。
今回はヨーロッパ企画の話をしたいのだけど、とりあえずヨーロッパ企画の稽古ってすごい変わっていて、稽古期間1ヶ月半くらいあるんですけど、ひたすらエチュードをやるんですよ。
エチュードっていうのは即興芝居のことで、設定とか役柄はだいたい決められるんですが、人物像とか台詞は全く決まってなくて、ほんと自分そのもののテンションで毎日エチュードし続け、それが1ヶ月半ひたすら続くんです。
1ヶ月くらい経った辺りで、あれ?そろそろ本番だけど毎日家にいるのとかと変わらない「カワモ」のテンションで、ふんわり即興してるだけなのでは?あれ?やばやばやばやば、えっこれ、本番くんの?来れんの?一文字も台本ないけど!と、めちゃ気持ちだけ焦り始めます。
演出家の上田さんから渡されるのは参考資料とすげーざっくり流れが何故かイラストと箇条書きにされてる紙だけ。
このイラストもやたらゆるくて、見る人の焦りを助長します。
でもそんな中、ヨーロッパ企画のメンバーは全く焦っていません。
やはり創立20年越えの劇団の余裕です。
これいつもより早く段取りが決まっているよ、余裕だ、と言い出すのです。
やっべー感覚ちげー!と思いつつも、自分を誤魔化し誤魔化しエチュードし続け、気付いたらプレビュー公演の5日前になります。
5日前から滋賀の栗東にて劇場稽古です。
やっとエチュードの内容を汲み取って構成された台本が配布されます。
上演時間は2時間ちょい。
怒涛のセリフ覚えタイムの開始です。
わたしは1時間半は出ているので本当に頭を抱えました。
しかも劇場稽古中、1日はドラマの撮影に行かねばならなく、そちらの台詞も覚えねばならなく、さらにヨーロッパ企画内で風邪が大流行りし、見事にうつされました!
わたし3年くらい風邪ひいてなかったのに!
免疫力の低下!
そんな中、撮影も無事終わり、風邪も治り、いざプレビュー公演の日です。
朝起きた瞬間から手は震え、緊張からか排尿しても排尿しても膀胱はパンパンです。
あ、これは違う病気かな?
長くなりましたね、後半に続きます。