転職というのは、人生の中では大きな変化だと思います。とくに歳を取ってからだとなおさら、でしょう。
私は、50代になってから3回転職を経験しました。3回も転職していると、あることに気づきます。それは...
私は、自分自身のことを何も知らなかったし、今も知らない、ということに気づくわけです。
(例)
あれ、オレって、仕事できないと思ってたけど、そうでもないかな…とか
オレって、リーダーみたいな立場って向いてないと思ってたけど、やってみると結構、上手にやれてるかな、とか
もう歳だから、今さらスノボやったり、バイク乗ったりムリだと思ってたけど、やってみたら、できるんだ、とか
今までそういう機会がなかったから、自分がそういうことができるということに気づかなかったわけですね。
そんなふうに、自分のことをよくわかっていない自分というものが、その時々でいろんな選択をしてきた結果が、今の自分、今の私であるわけですが…
では、私の人生にとって重要な選択をしてきた「自分」というのは何者だろう?
という、ちょっと哲学チックな話になっていきますね…
今まで「これが自分だ」と思い込んでいたものが、実は「自分の一部」だったり、「環境とか周りの人間関係とかに左右されたり、影響を受けていた、その時の自分」だったりしたら…
それは「本当の自分」とか、「自分の可能性」とかにフタをして、「昔の自分」「ある過去の一時期の自分」に自分を縛り付けていることになると思うんです。
ちょっと考えてみていただきたいのですが…
今のあなたを取り巻く環境や、あるいはあなた自身は…
常にいろいろな変化の影響を受けて、昔の自分とは変わっていると思います。
そしたら、今の自分に見合った「自分」に、今の自分にとって快適な状態に、自分をアップデートしたり、アップグレードしたりしなければならないと思いませんか?
人間と言うのは、変化を嫌う生き物だと言われてますね。変化を望むのは、オムツが濡れた赤ん坊だけだ、みたいな言い方もされてます(笑)
それでも、変化に対応しなければならなくなるのは、結局、世の中のすべてのものは、変わっていくからです。
昔、カワイくて優しかった彼女は、結婚すれば、なぜか怖いカミさんに変わってしまうし…
5歳くらいまでは素直で可愛かった子供も、いつしか反抗期になれば、生意気なことを言ったり、こちらの言うことを無視するようになる。
会社生活だって、いつまでも入社したころのままではありませんよね。
10年・20年と時間が経てば、昇進したり、部下ができたり、仕事で失敗したり、部署を異動したり、リストラされたり…いろんな変化があると思います。
若い頃に考えていた「仕事観」とか「将来やりたいこと」なんていうのも、年齢や経験とともにどんどん変わっていくものだと思います。
そういう変化に対して、今の自分の気持ちをきちんとくみ取ってあげていられるか
自分の声を聞いてあげていられるか、というのは、非常に大事なことだと思っています。