東洋医学診断学②歴史
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東洋医学の歴史で最古の書籍として現存しているのは黄帝内経であり、基礎理論も全て黄帝内経からスタートしています。
東洋医学診断学も基本は黄帝内経をベースに置きながら近現代までの理論の発展に合わせてより学びやすく体系的にまとめられてきました。
黄帝内経が成立したのが2500年前後と考えられており、現代までの書物を全て網羅することは不可能です。
ここでは診断学として歴史的なターニングポイントとなった書籍と著者を紹介していきます。
年代 | 著者 | 著者 | 解説 |
---|---|---|---|
黄帝内経 | 春秋戦国時代から秦漢の時代までに蓄積された医療実践と理論を体系的にまとめた書物。診断学への貢献としては望、聞、問、切の四診と辨証と辨病のベースとなる基礎医学が記載されている。 | ||
西漢 | 淳于意 | 診籍 | 医学の歴史上最も古いカルテ |
東漢 | 張仲景 | 傷寒雑病論 | 傷寒は六経論、雑病は臓腑論を基礎として辨証論治を系統的にまとめた東洋医学史上もっとも重要な書籍 |
華陀 | 中蔵経 | 臓腑寒熱虚実と生死順逆の法則を示した書籍 | |
西晋 | 王叔和 | 脈経 | 東洋医学史上最も早期に記された脈診学の専門書 |
隋代 | 巣元方 | 諸病源候論 | 病源論と証候診断学の専門書 |
宋代 | 陳言 | 三因極一病証方論 | 三因学説を最もはじめに説いた書籍。病因、辨証、理法などはほぼ完成している。 |
元代 | 滑伯仁 | 診家枢要 | 経穴経絡に精通した滑伯仁の臨床実践から記されており、脈診法とその理論を明らかにし、それぞれの脈の名称と脈状、種類を分析している。全編にわたって簡潔に徹している。 |
危亦林 | 世医得効方 | 内科、外科、婦人科、小児科、骨傷科、五官科など各科の疾病231種類を収載。脈診学として危篤時や重病時に表れる10怪脈を記載。 | |
明代 | 李時珍 | 瀕湖脈学 | 各家の脈診学の粋を集めて、脈状を27脈にまとめた。 |
張景岳 | 景岳全書 伝忠録 | 現代の東洋医学診断学において基礎的な内容である八綱辨証➖陰陽の二綱と表、里、寒、熱、虚、実の六綱を完成させた。 | |
清代 | 李延罡 | 脈訣匯辨 | 浮、沈、遅、数、虚、実の六祖脈を記載。 |
葉天士 | 外感温熱篇 | 温病における衛気栄血辨証を確立 | |
呉鞠通 | 温病条辨 | 温病における三焦辨証を確立 | |
近現代 | 曹炳章 | 彩図辨舌指南 | 歴代医師の舌診学の学説をまとめた書物 |
陳沢霖 | 舌診研究 | ||
趙金鐸 | 中医症状鑑別診断学・中医証候鑑別診断学 |
近現代に入って東洋医学が西洋医学と出会い、統合医療と言いますが、科学技術を東洋医学診断学に活かしていく研究も進んでいます。 東洋医学診断学は近年とくに著しい発展を遂げている分野として注目されています。
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