【がちんこ】の語源 | 日本語の語源 〜目から鱗の語源ブログ〜

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日本語の語源について紹介していきます。

 日本語というのは大和言葉と称されるものも含めて

「漢字を素材として、日本人自身がつくった言語です」

 

 今回は【がちんこ】の語源を紹介します。

 

 相撲の取組みで、ガチンコという言葉があります。一般的には、お相撲さんが、立会いでぶち当ったときにガチンと音がするので、ガチンコまたはガチンコ相撲というと思っておられる人もいるようです。

 

 しかしながら、お相撲さんは金属ではないので、ぶち当ったときには、ガチンではなくてドンと音がするのです。一般語としても「ドンとぶち当る」という表現をします。

そうしますと、ガチンコとは、いったいなんのことだということになります。

 一音節読みで、敢はガンと読み「勇敢、勇敢に」の意味です。勍はチンと読み「強い、力強い」、磕はコと読み「ぶっかる、ぶっかり合う」という意味です。

 したがって、ガチンコは、漢字で書くところの敢勍磕を、多少訛り読みしたものであり、直訳すると「勇敢に、力強く、ぶっかる」になるので、ガチンコ相撲とは「勇敢に、力強く、ぶっかる相撲」の意味になり、これがこの言葉の語源と思われます。

 

 ガチンコ相撲とは、馴れ合いでない相撲、つまり、ヤオチョウでない真剣勝負の相撲のこととされているので、その語源は、当然のこととしてこのような意味になるのです。

 しかしながら、稽古を積んだ大きな力士同士が激しくぶっかり合うと相当の衝撃があり、身体の傷みにも繋がると思われ、健康な身体があっての力士としては、ガチンコ相撲を取続けることは、そう簡単なことではないのではないでしょうか。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。