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 シャーマン・キーシャの著作(《レインボー・トライブ/虹の民・・・》)に書かれていた、インディアンさながらの生い立ちを認めた第1章を読んでいて、ふと古書買い置き書棚にあったこの本をひろげてみた。
 日本人は、自然と直結した生き方から、遠く離れてい過ぎることを知りつつも、実行には自然直結に戻せない人々がほとんどだろう。遠からず、お金など役に立たないようになる可能性が高いのに、人間とは愚かなもので、抜き差しならない事態にならないと、なかなか実行できないものなのだろう。

 

 

【シアトル首長のスピーチ1954】
 1854年、アメリカ政府は、3年に及ぶ先住民たちとの戦いの末、先住民たちの土地を買い取り、居留地を与えると申し出ました。スクオミッシュ族とドゥワミッシュ族の部族連合の代表であるシアトル首長は、これ以上の戦いは無益と判断し、彼らを引き連れて居留地へと移動しました。そのとき、大統領に伝えてほしいと、スクオミッシュの言葉で行った演説が「シアトル首長のスピーチ」です。(p.62)
 かつてイチローが在籍したシアトル・マリナースのシアトルはこの首長の名前からきているという。

 

 

【どうやって買おうというのだろう】
 ワシントンの大首長が
 土地を買いたいといってきた。

 どうしたら 空が買えるというのだろう?
 そして 大地を。
 わたしには わからない。
 風の匂いや 水のきらめきを
 あなたはいったい
 どうやって買おうというのだろう? (p.6-8)
 貨幣経済にどっぷりと浸かった現代人なら、「いくらで・・・」と値踏みしつつ、喜んで土地とお金を交換するのだろうけど、自然とともに生きているインディアンにとっては、お金と交換できるものなどでありっこない。
 純粋さのカケラもない人は、愛ですら金額で計ったりするのだろう。そういう人がこのスピーチを読んでも、何も感受するものはないから読まなくていい。無駄である。
 そういう人は、“今この時代に地球に生きている目的”すら完全に忘れてしまっているのである。

 

 

【大地と空気を、神聖なままにしておいてほしい。】
 だから 白い人よ
 どうか この大地と空気を
 神聖なままに しておいてほしい。
 草原の花々が甘く染めた
 風の香りを かぐ場所として。 (p.22)
 しかし、白い人は、その願いを聞き入れなかった。
 神聖な大地からウランを掘り起こしたり、地球の血液である石油を抜き取ったり、1世紀半に渡って恣に母体を痛め続けてきた。母なる地球は、人間の恣意を許容してきたけれど、もうそれは無理であることを人間に教えようとしている。
 今のままでは地球は続かない。それは明らかである。

   《参照》  母なる地球 ガイアからのメッセージ

 

<了>