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 日本の主要な財閥は、ほとんどが関西を発所の地としている。その中でも特に近江(琵琶湖)には特殊な神霊界があるらしい。

 

 

【関西の産土力】
 ○○の神様と西宮の戎様の2つが合体した要素が、関西の商売上手の元、経済の元であり、これが関西の産土力です。(p.26)
 関西と言えば “おしゃべり上手” ということなのだろう。○○は和歌の神・言霊の神が祭られている神社である。

 

 

【キャッシュ・フロー経営】
 私のキャッシュ・フロー経営は、銀行から金を借りない、手形を切らない、小切手はない。現金を融資するときに危険ですから、小切手はちょっとありますけども。この2つのものを鉄則にしているわけです。
 そして、問屋さんに卸すと手形が入ってきますから、なるべく現金を増やすために、現金で入ってくる小売店などに納める。そのためには、扱う商品も考えなければなりません。現金で支払ってくれる業種に合った商品構成になるよう、少しずつスライドさせていく。そのほうが、キャッシュに困らない会社になるし、キャッシュ・フロー経営ができる。それにはアイデアと度胸をもって、粘り強く維持していく以外にありません。他人さまと同じようなことをやっていたらダメです。(p.126)
 いくら資産があっても直ぐに動かせる現金がなければ、企業は倒産してしまうのだという。企業家にとっては当たり前の認識なのだろうけれど、一般人の私は、「へぇ~」 などと能天気に思って読んでいた。
 系列の中間に問屋が介在すると、量は吐けても利益は薄く、しかも手形決済。これじゃあ健全な経営などできっこない。だから直販できる小売店を新規に開拓してゆく。系列を守って商売するのも信用として大切なのだろうけれど、それではボーダレス化している近年の経済慣行に整合せず、経営は苦しくならざるを得ないということなのだろう。
 生成化育・進歩発展するのが日本神霊界の意志。時代に合わない不適切な商慣行に盲従し、座して死を待つようなことでは神意に合わない。流通の中間を吹っ飛ばしたニトリがいい成功例だろう。

 

 

【関東人と関西人】
 関東の人は、ふた言目には 「いや、お金なんか、おれは関係ないよ」 と言うんですけど、関東の人が一番お金に弱い。私もそうおもいますし、関西の財界の人に聞いても同じ意見です。関東の人は金、金、金と言わない。「武士は食わねど高楊枝」 と言うんだけれども、一番お金に弱いんです。
 関西の人たちは、合理的、実利的な発想と生活習慣が身についていますから、お金を征服しているというか、お金では動きません。お金そのものになっていると言いますか(笑)、意外にお金で動かないんです。(p.51)
 さながら、関西人は商売上手で奸知に長けた越後屋で、関東人は 「お主も悪よのぉ」 と言って袖の下を要求するお上といったところか。

 

 

【近江商人】
 ところで、タイトルに絡んで、近江商人というとアサヒビール再建に関わった樋口さんの本に書かれていたことを思い出す。「琵琶湖には、たくさんの小さな河川から水が流れ込むけれど、吐き出す川はただ一つである」 という譬えでお金の使い方を示唆していた。アサヒビール再建に必要な巨額の融資を可能にする金融機関出身のキーマンとして、近江出身の樋口さんがその役割を担っていたのは、確かに象徴的ではある。
   《参照》  『商売はこの明るさでいこう!』 樋口廣太郎・船井幸雄・佐藤芳直・大野潔 (中経出版)
             【黄金ウンコを空に飛ばせた人】
 

<了>