イメージ 1

 電気製品のコマーシャルなどでよく耳にする単語の意味が、簡潔に分かりやすく記述されている。必要に迫られているわけではなく、また、趣味や興味の対象というわけでもなから、どうでもいいことなのだけれど、人はかくも意味の分かっていない単語に囲まれながら、平気で生きてゆけるものである。
 最後のページに、「本書の製作にあたっては、現役の公立高校教員の方にご執筆いただきました。」 と書かれている。方々とは書かれていないけれど、おそらく複数の人々が関与していることだろう。


【インバーター】
 交流電流から直流電流を作るのはコンバーター。インバーターは、コンバーターが作った直流電流から、必要な周波数の交流電流を取り出し、モーターの回転数を自由に制御することで、省エネを実現したと書かれている。かつては、オンとオフのみでモーターを回転させていたから、インバーター以前は微妙な制御はできなかった。

 広義、狭義の意味合いもあるだろうけれど、単語の意味を正確になぞっていないから、このような説明が可能。

 

 

【洗剤不要の洗濯機(超音波と電解水)】
 圧縮空気が元となった超音波の衝撃波で汚れを剥ぎ取る。電気分解された水(電解水)に含まれる活性酸素は「有機物の汚れ」を除去する。 (p.13)
 エアウッシュは殺菌や消臭に優れていても、軽度の汚れを落とせるだけらしい。なあ~んだ。
 
 
【ノンフロン冷蔵庫】
 ノンフロン冷蔵庫という章が16~19ページに掛けて記述されているけれど、「冷却する仕組」と「さまざまなフロン」の説明があるだけで、ノンフロン冷蔵庫を具体的に説明した記述は全然ない!!! 馬鹿げている。
 フロンを使っていない冷蔵庫がないのならば、なぜ 「ない」 とはっきり書かないのか?

 

 

【ウォーター(スチーム)・オーブン】
 300度Cを超えた加熱水蒸気を吹き付けて加熱する。この状態では、低酸素状態になるためビタミンなどの酸化を押さえ栄養が保持される。
 従来、家庭用の100V電源で300度C(天ぷら油の発火点)の水蒸気を生み出すのは技術的に困難があったが、シャープが可能にした。 (p.22)

 

 

【標準電波は福島と福岡から】
 福島県からは40kHzの長波が、福岡からは60kHzの長波が利用されています。同じ周波数では互いに干渉し誤作動するおそれがあるためです。 (p.42)
 電気の周波数の違いは、電線を媒体にしているのだから、干渉云々の問題ではない。
 静岡県の富士川を境に、西が60kHz、東が50kHzになっています。これは電気を利用し始めた明治時代、東はドイツ製(50kHz)、西は米国製(60kHz)を輸入したことが発端といわれています。 (p.139)

 

 

【デジタルとアナログ】
 実用上でその違いが現われる最大の点は、圧縮が可能か否かである。デジタルは情報を圧縮できるので、アナログより多量の情報伝達が可能であり、情報を分割できるので、回線を占有しない伝達方法が可能である。

 

 

【CCD と CPU】
 CCDはデジカメの、CPUはコンピュータの主要な機能を荷う最も重要なパーツなのに、この省略語の日本語説明が記述されていない!!! 日本語訳があるだけで説明など読むより先に機能が分かるであろうに、それがないのである!
 中学生や高校生を読者層として想定しているのであっても、単語の意味を明確にせぬまま説明しようとする著者(これらの項目の担当者)の記述方法がよくわからない。

 

 

【CD と DVD の違い】
 サイズ・形状ともに全く同じだけれど、ピットと呼ばれる「くぼみ」の大きさと密度が違う。前者は粗く、後者は細かい。また、後者には情報圧縮という技術が取り入れられている。

 

 

【CMYK と RGB】
 RGB  - Red:赤、 Green:緑、 Blue:青。
 CMYK - Cyan:深い青、 Magenta:ピンクがかった赤、 Yellow:黄色、 blacK:黒。

 RGBは、光の三原色。この3色を混ぜると白色になる。加法混色。
 CMYは、インクの三原色。この3色を混ぜると黒色になる。減方混色。
   CMYの全て混ぜると黒になるが、この方法では黒がはっきり発色しないため、
   カラープリンターでは別に黒が加えられている。(p.109)
 黒をKと表記するのは、青と差別化するためなのだろう。
 この、3原色混合によるインクと光の違いは、この世とあの世の違いをイメージさせる。
 何故なのかをハッキリと説明している文章に出会ったことはない。
   《参照》  『あなたは本当に「今」を生きていますか』 渋沢眞由美 (心泉社)
            【色にも陰と陽がある】 
 
 
<了>