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 2000年初版の書物だけれど、副題の 「夜明けは日本から始まる」 に思う処があったので、読み返してみた。
 著者はインド人。神秘主義に基盤を置きながらも、世界経済を洞察する客観的能力に秀でた経済学者さんで、かつて、共産主義の崩壊や1990年の日本経済破綻などを的確に予測していた方。

 

 

【著者のスタンス】
 人間はもともと、無限の存在と繋がっているのである。あらゆる人間にとっての共通の課題は、自らの拘束を解くことにほかならない。身体の拘束を解き、恐れや悲しみ、憎しみによる心の拘束を解き、そして欲望の拘束を完全に解き放つ。すべての拘束から自由になれば、心は本当に向かうべき世界へしか向かわなくなるのである。
 瞑想と精神的生活は、私が行う経済的・政治的・社会的予測と一体化したものとして存在している。瞑想によって自然の摂理を知り、無限の存在である神を感得し、神の意思を確認する。そこから私は、この地上の貧困を撲滅するための 「力」 を得ているのである。  (p.26)
 著者の肩書きはサザン・メソジスト大学の教授。国際貿易理論の専門家。

 

 

【エコノミストのバック・グラウンド】
「金持ちは税制面で優遇されるべきだ。富の集中は投資を促進するのだから、高額所得者への減税は悪いことではない」 と。
 金持ちがマスコミをコントロールし、そのマスコミが世論を作り出す。このようなエコノミストたちの論理がアメリカで一般的に支持されているのは、そのためなのである。そして、世界のエコノミストのほとんどが、この理論を支持している。 (p.43)
 「日本経済の停滞を救うには、世界的な大金持ちが日本に住みたいと思うような税制にすべきだ」 というアメリカ追随型の見解が、良識的と思われていた日本人のオピニオンリーダーと言われる人々からも発せられていた。だから素人のチャンちゃんは、長いことそれが間違っているとは思えなかった。しかし、著者はその見解をキッパリと否定している。
 果たして、この理論は本当に正しいのだろうか。根本的な疑問は、大多数の人々が貧しく、購買力に乏しい社会において、富裕者は本当に投資するだろうかということだ。
 このような根本的な疑問を真剣に検討しているエコノミストはほとんどいない。富裕者が政治を動かし、マスコミや学者を牛耳っている社会では、エコノミストの発言に対する根本的な疑問は闇に葬られるのである。 (p.43-44)
 著者のこの書籍が出版されたとき(2000年)、日本にはまだ良き方向へ向かえる可能性があった。
 いま舵をとりなおせば、最悪の事態は回避できるだろう (p.70)
 とする章の中に日本が採るべき具体的な方策が書かれている。しかし、現実は著者のアイデアとは真反対のベクトルを示す小泉改革が行われたのである。
 以来、露骨な所得格差社会になった現実を知った日本人の庶民は、アメリカ化以外の何者でもないグローバリズムに強い警戒感を持つようになったけれど、マスコミの支配者は何ら変わっていないことは十分知っておくべきである。

 

 

【日本復活は不可能なのか】
 ならば、副題にある 「夜明けは日本から始まる」 は、既に起こりえぬ事実(予測)なのであろうか?
 そんなことはない。やはり、「夜明けは日本から始まる」 のである。
 かつて著者が語った予測の大枠は、いまだに活きている。現在は、まだそのタイミリミットの範囲内である。
 1978年に私は、2000年までに共産主義が、そして2010年までに資本主義が、ともに崩壊すると予測した本を出版した。何十件という出版社に原稿を持ち込んでは断られ、やむなく自費で出版することにした。・・・(中略)・・・。その後、私の予測の大半が的中したのである。ソ連という国家が消滅し私の予測が現実のものとなったとき、嘲笑と賛同の比率は逆転したが、それでもこの書物のもう一つの予測、すなわち 「2010年までに資本主義は終焉する」 には未だ眉に唾をつけて接する人が多いのが現状である。 (p.20-21)
 北京オリンピックを終えた中国が、オリンピック開催以前の上昇を続けることはありえない。
 《参照》  『中国人民に告ぐ -痛憤の母国批判-』 金文学 (祥伝社)
             【韓国の前例から中国を予測する】
 中国が急速な下降曲線を辿れば、日本も深手を負うだろうけれど、そもそも国内にサブプライム問題を抱えているアメリカである。中国問題、グルジア問題への関与の仕方いかんによっては、完全に活路を閉ざされることになるのではないだろうか。ハードランディングではなくソフトランディングになることを願うばかりである。

 

 

【日本の復活】
 日本の可能性は、高度成長期以来の経験が蓄積されていることである。日本には主要セクターにおいて、その蓄積がある。・・・(中略)・・・、日本が正しい経済政策さえ採用すれば、他の諸国の経済回復をも助けることができる。これからの時代は日本のリーダーシップが世界を変えてゆくだろう。 (p.110)
 1950年から1975年までの日本経済には、プラウトのもつバランス感覚が働いていた。ところが、1975年以降の日本は変質してしまった。(p.187) 
 日本は本来プラウト的な国家である。国家の威厳を取り戻し、今一度そのパワーを世界に示すことが、日本の大きな役割といえるだろう。
 恩師サーカーはいみじくも言った、日本は再び日出ずる国となるのだと。私は心から日本の復活を願わないではいられない。 (p,81)

 プラウトとは、ある理論の頭文字をとった略語である。その理論は、「プログレッシブ・ユーティライゼイション・セオリー ( Progressive Utilization Theory ) 」 という。
「地球上のあらゆる資源を、進歩の力によって効率よく役立たせるための理論」 と訳せば、その意味に近いだろうか。  (p.178)
 プラウトを東洋古典の言葉でいうなら 「万物資生」 に近いのではないだろうか。化粧品メーカー、「資生堂」の語源となった言葉である。 「万物資生」 は “経験の蓄積” と不可分である。
 サーカー師とは、インドに在住し、著者の将来的な役割を告げていたメンター(精神的指導者)のこと。
 脚下照顧。
 インドといわず、我が日本の地にいる日本人のメンターとも言うべき方から、9月1日に届いたメール・マガジンの内容の 「ほんの一部」 を転載しておこう。(転載不可ではないと思うので・・・)
 
【北京オリンピックの聖火は日本復活の狼煙】

 それから、オリンピックの神の御働きは、もっと大きな局面でも現れます。例えば、「おかしな国がオリンピックを開催すると、10年前後で滅びる」という、歴史的な法則があります。1936年のベルリンオリンピックの9年後、ナチスドイツは崩壊しました。1980年のモスクワオリンピックの11年後には、ソ連崩壊です。また、1984年のサラエボオリンピックの7年後には、ユーゴ紛争が起き、その後ユーゴ連邦は解体されました。それから、1988年のソウルオリンピックの約10年後に、韓国の経済が破綻したのです。
 このように、オリンピックをやると、正すべきを正し、裁くべきを裁くという、ゼウスの働きが国家単位で現れるのです。こういう体験をしたからこそ、古代の人々は戦争を中断してでも、オリンピックを厳粛に行ったのです。

 さて、話を聖火台に戻しましょう。聖火に現れたゼウス、熊野の神、ヤーベ、国常立は、何と言ったか? 火がついた瞬間、「これは、日本の大繁栄、大躍進が始まる狼煙(のろし)だ」とおっしゃったのです。何度も何度も、その言葉が聞こえました。これは、昨年5月の琵琶湖神業でイシスがおっしゃった、「来年(2008年)8月から、日本の国のどしゃ降り金運が始まる」というご神示と、ピッタリ符合するものです。
 もちろん、今の日本を見ると、「大繁栄」や「どしゃ降り金運」があるとは、到底思えません。しかし、8月8日から神霊界では、日本の「大繁栄」「大飛躍」が始まる準備が進んでるのです。
 さらに、聖火台の4柱の神々は、「中国はこれから堕落していく」と教えてくれました。「堕落」とは何かを尋ねると、「崩壊に至る道だ」と言うのです。この3年で、中国は徐々に堕落し、3年後、堕落の極致まで行くというのです。それを知っていながら、私は神にどう祈るべきか、神に問いかけている所です。無理をして、今まで経済と軍備を急成長させ、またオリンピックを何とか開催した、様々な軋轢(あつれき)がこの3年で、どんどん表に出てくるそうです。実際すでに、中国の株価の下落は止まらず、物価は上昇し、輸出にも陰りが出ています。
 「中国は日本から学び、日本から援助を受け、日本に嫉妬しながら、成長してきた。それなのに、中国は、日本に恩を仇(あだ)で返すようなことばかりしてる。だから、それを正し、裁くのである」。このように、ゼウスが教えてくれました。これに対して、我々はどう祈り向かうべきなのか。これから、考えていくべき課題です。
 おそらく、4年後のロンドンオリンピックでは、イギリスやヨーロッパ諸国が正されるでしょう。もちろん、悪いものを、裁くだけではありません。良きものは発展するよう、神々の後押しが授かるのです。
                                         深見東州

「Toshu Fukami・メールマガジン」vol.738「オリンピックは、本当の神様が出てくる、世界の神事なのです。」より抜粋。
  深見東州・著の読書記録