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 著者の修行は、剣の神を祀る鹿嶋神宮での20年間から始まっていたことが書かれている。
 ここにも神道の奥義を語る方がいる。

 

 

【剣による結び】
 日本刀は、なぜ、これほどの因果をさらけ出すのでしょうか。
 形ある日本刀には無形の影があって、その影が吉きにつけ悪しきにつけ、因果を結ぶからなのです。
 では、結ぶ力はどこからやってくるのでしょうか。
 遠く神代の昔、剣の霊が剣の神さまとなりました。
 剣の霊が持つ働きがございました。この働きが真空の世界を創り出します。
 その真空の世界において、結ぶ働きがございます。
 つまり、真空溶接のようなお働きをなさるのです。
 神さまがたはそれぞれに、きわめてきびしい神格を持っておりまして、天地に卓立していらっしゃいます。その神光は絶対に他の神光に染むことはありません。
 その神さまと神さまが結ばなければ、新しい世界が誕生しないというようなとき、この真空界が必要なのです。
 剣の霊がここで働きます。
 真空界を創って、その中で結びます。   (p.192)
 剣気の吉凶が、真空界の吉凶を分けることになる。
 日本刀の持つ剣気にしたがって、吉凶の因果が出ることになる。

 

 

【蘇我入鹿は仏教徒ではない】
 日本で最も古い刀剣は、天国(アマクニ)と名付ける剣であると伝えられています。
 一番初めにこの剣を持たれたのは、蘇我入鹿です。
 神気、霊力、人に秀でたこの王子は、やがて中臣鎌足と天智天皇によって謀殺されてしまいますが、どのようにして殺されたのか。歴史の伝えるところと宮主(著者)が直接入鹿の霊を通して知ったところでは、大変な違いがございます。
 安芸の宮島の海につらなりまして黒髪島の海があり、その前面の浜に、入鹿神社がございます。
 蘇我入鹿はその霊魂を遠く白鳥座の星からいただいて誕生したしました。日本武尊と同魂とうけたまわっております。
 白鳥座の星から降りる宇宙線は、純一無雑でございます。ひたすら天意を地上に降り注ぎます。
 地上に在る人間が、ことごとく神の子の種子を宿すという事実を知る者でございます。
 時の権力などまったく眼中にありません。
 このため、権力の壁を作って政治を執り行う者にとり、この上ない邪魔者になりました。
 しかしながら彼らに、天国剣徳に守られる入鹿を斃すことはできませんでした。
 当時、黒髪島には3貴神がおまつりされまして、その前面の海は尊い尊い海神の住む世界でありました。
 安芸の国から管弦の船を仕立て、蘇我入鹿を誘い合わせ、黒髪の海に到ったとき、不意を襲った中臣鎌足一派が、入鹿の所持する天国剣を抜き、入鹿を刺し殺しました。
 なきがらは黒髪の海に沈められました。
 入鹿の祟りを恐れた朝廷は、ここに 「入鹿神社」を建立して亡魂を鎮めることにしたのです。
 蘇我入鹿は仏教徒であると思われて参りましたが、事実は、純呼たる神の子でありました。
 もし入鹿が仏徒であるなら、入鹿寺と名付けたことでしょう。 (p.196-197)
 神道は、仏教のように経典に依存して教えをたれるような宗教ではないことが、ここに書き出した部分からだけでも良くわかる。
 白鳥座の働きを知りこれを使いこなせるお方は、おそらく本物なのであろう。直接にも間接にも白鳥座のことを語っていた神道家は、私の過少な経験では、著者を含めて2人だけである。
 さて、白鳥座から降り立った蘇我入鹿と日本武尊(やまとたける)。いずれも剣を身から離されて生涯を閉じている。
             【草薙剣(くさなぎのつるぎ)の神威】
 数奇な類似なのか必然のことなのか。
 新世界を創出するために神々を結ぶ役割のお方は、純一無雑な白鳥座の御魂であらねばならず、なおかつ真空剣が絶対に必要だったのであろう。
 
<了>