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 選んでいるつもりはないけれど、またも三菱に関する本を読んでしまった。正直なところ、あまり印象的な内容ではないので、私が勝手に書いてしまいそうである。


【先人の先見性と道徳性】
 社史によると、大正時代の関東大震災のあった1923年の10月、米国ウエスティングハウス・エレクトリック社(W社)と技術提携を結んでいる。同じ頃、東芝の全身の芝浦製作所もゼネラル・エレクトリック社との技術提携が成立している。
 国際提携を尊重するわが先人たちは、提携契約が中絶した戦争中も、W社へ支払うロイヤリティーを積み立てていたという。この積み立ての実績を高く評価したW社が、1947年の「過度経済力集中排除法」が当社に適用されないように働いてくれて、会社分割を免れたとの話も伝えられている。 (p.42-43)

 「過度経済力集中排除法」とは、財閥解体のことだろうけど、先に読んだ諸橋さんの本(『私の履歴書』)の中では、ご自身がいた所は、解体された後、数年を経て結果的に再結集されたと書かれていた。事実は現場にいた諸橋さんの著作に書かれていたとおりなのだろうけど、戦争の相手国に対してでさえ、契約を守ってロイヤリティーを積み立て続けていたという精神は素晴らしいと思う。
 戦前に英国のセビル・ローで背広を仕立てた日本人達は、戦争になってしまい支払えなかった代価を、戦後にキチンと支払ったので国際的に信用されるようになったという話も、下記リンクに書かれている。

   《参照》  『現場百見 - ビジネスは地球感覚 - 』 清水正造 (TBSブリタニカ)

             【セビル・ローでの信用】



【オーストラリア市場情報】
 親会社は、我々の情報を半信半疑で見ていた時期もあったようだ。しかし、事実が、オーストラリア市場情報の正しさを証明した。 (p.76)
 オーストラリアは、アジアにありながら、英語圏であり、英連邦内の一国であるということが、グローバル化した世界経済の中にあって、特殊な情報集積地域となっていたのだろう。
 今後は、インド経済の台頭に応じて、民族的にも言語的にもマレーシアが主要なポイント国家になることは間違いない。マレーシアの経済政策顧問をしていたことのある大前研一さんは、おそらくそのことを10年以上前から意識していたのではないだろうか。


【台湾人は立派である。「台湾、ガンバレ」 】
 (台湾の)AP社の副社長は、「わたしの父親は日本びいきで、今でも日本時代が良かったといいます。私も日本が好きで、退職後は日本に住みたい希望を持っています。台湾と日本との外交関係の断絶は残念でしたが、台湾が日本の代役としてアメリカを選んだことは幸運でした。
 少なくとも日本人より英語が上手になりましたし、アメリカン・スタンダードを日本より先に学んで身につけました。IT分野で台湾が世界で良い位置につけることができたのも、早くからアメリカのコンピュータ業界と強いコネを持つことができたからです。若い台湾人は日本という先生を失ったために、アメリカで学びました。・・・(中略)・・・製造技術や品質管理の台湾の先生は日本でしたが、ソフトウエアに関する現在の先生はアメリカとヨーロッパです」と発言していた。 (p.120-121)

 台湾人の国を守るという意識は、ビジネスの現場でも有効に働いているようだ。数年ほど前、台湾(台中)で大地震があった時、最も震撼したのはアメリカのハイテク産業界であったことを、台湾の一般人は余り知らない。アメリカは、既にかなり前から、コンピュータの主要部分の製造を殆ど台湾企業に依存していたのである。
 周辺部品であるキーボードに関しても、台湾のエイサー社は世界の90%のシェアを持っているという。


【台湾と韓国の比較】
 上記の台湾人の発言部分を読んでいて、台湾と韓国の違いを思い出してしまった。
 戦争以前、日本が朝鮮と台湾を統治していた時代、日本政府は、朝鮮を日本と同等な一等国家、台湾を二等国家という位置づけで統治していたという。
 そして、戦後の両国の復興に関して、日本は、韓国には浦項製鉄所(現:ボスコ)を技術料なしで建設してあげたのに対して、台湾は世界銀行から融資を受け、莫大な額の技術料をアメリカの鉄鋼会社に支払って、自前で建設したのである。
 日本統治時代においてさえ朝鮮よりは劣等な位置におかれ、戦後も日本に捨て置かれた台湾であるのに、台湾財界人には日本の良さを語り継ぐ人々が多い。それに比べて韓国の政財界人の非礼は、天上の神々でさえ卒倒させるであろうほどに素晴らしいものである。このような逆転した違いは、朝鮮(韓国)人の一丸となった反日洗脳教育が完璧かつ有効に機能していることの証拠である。
 戦後、廃墟の中から復興してきた日本は、極端な円高やオイルショックのピンチをチャンスに変えて成長してきた。台湾も誰とて頼るもののない政治的孤立の中で立派に成長してきた。台湾は日本よりはるかに自立した立派な国家といえるであろう。台湾に比べて韓国はどうであろう。韓国は、「いまだに日本は反省していない」、などといい続け、感謝することを永遠に知らない国家である。ユスリタカリを本職とする最も恥知らずなヤクザ国家である。戦後世代のわれわれ日本人は、日本からの恩恵を受け続けてきているだけの戦後世代の韓国人に対して、このようことを正々堂々と発言すべきである。
 国際政治の中で、政治家や外務省がどのような選択をしようが、日本の民間人は全てを知っている。台湾人の日本に対する公正な評価が、必ずや実を結ぶ日があろうことを。

 

<了>