田舎に戻って早くも2ヶ月近くがすぎそうだ。

相変わらず、先輩やら何やら関わりたくない奴らが多い事に変わりはない。
早くも東京にまた戻るつもりで話を進めている。田舎には仕事も無いし、娯楽が全く無い。
この娯楽が無いっていうのは選択の幅が無いって事だ。
酒を飲みに行くにも田舎の居酒屋なんかは車に乗らないといける距離にはない事が多い。結局、車で行き代行で帰るか行きも帰りもタクシーになる。
結果、三回飲みに行けるくらいの金額を余分に払う事になる。
そんなんでは金に余裕がある人しか外に飲みになど行けない。
クラブもあるし、音楽を頑張ってる奴等もたくさんいるが、なんせ数が少なく人口も少ないので一度仲間と揉めたりするとたちまち居場所がなくなる。まるで昔の小さな村社会のようだ。
基本的に田舎ではパチンコか、家で飲むか、ドラッグでもやるかしかない。

都会でも遊びなんて同じようなものだが、飲みにしろナンパにしろ幅広いし、多種多様である。

親との関係も良くないし、敵は多いし、すぐ村八分にされるし。
やっぱりキツい事が多いなー。

田舎への引越し当日になった。

田舎(地方)には、県外に出た事がなく自分の周りの狭いコミュニティでしか生きてきていない人が多数いる。もちろん、そういう人が全て世間知らずな訳ではないが、僕の経験上大半は世間知らずでワガママな協調性の無い阿呆が多い。

そんな奴らの中に身を投じるのはいくらか不安だが、ここまで来たら後には退けない。

アパートの大家に鍵を返しに行くと、なんと最初に渡していた敷金5万円がそのまま返ってきた。

じゃあせめて、業者までとはいかずとも部屋を綺麗にしていってやろう、と思い掃除をしていたらここ何年かの間の事が思い出されて泣きそうになった。

今日の、涙を堪えてした掃除は僕は一生忘れないだろう。


バスが文化服装学園の横を通る。

彼らはこれから好きな事を勉強して、恋をして、仲間と遊んで、時には失敗もしながら東京でずっと生きていくのだろう。

僕は、青春時代に何一つ輝かしい出来事がなかった。無いまま終わった。だがどうしても納得が出来なかった。吉祥寺や原宿を土曜に歩いている若者達みたいに、意味もなく笑っていたり馬鹿みたいにテンションの高い日々がおくりたかったのだ。

だけど、どうしてもそういう中には入れなかった。諦めたり、再挑戦したりしてるうちに歳はおっさんになり、職も不安定でさみしがりやの奇妙な年寄りになっていた。


失われた青春は返ってこない。


なら、生涯青春でいいじゃないか。
年齢なんかあくまで1つの目安でしかない。
死ぬまでが青春だ、死ぬまで俺は学生だ。死ぬまで、用もなく繁華街をブラブラしているジジイでいてやろうと思う。


また戻ってくるかもわからないが、とりあえずさよなら、東京。僕の青春よ!
昔、何かの本で「他人を批判ばかりしている人は本当は他人に認めてもらいたくて仕方がない人である」と読んだ事がある。

最近、妙に苛立っている。

何故なんだ。

もうじき、長い事住んでいた東京を離れる。
納得した上で帰郷するはずなのに、なんだか自分の胸の奥でもやもやした感情が消えない。

僕は東京の何に惹かれたのか…

そして東京で何になりたかったのか、どう生きたかったのか。

なんだか複雑な気持ちだ。何故だか、こんな気持ちには敗北感という言葉がよく似合う。