インスタをみたギャラリーから
出品依頼が来た
重い腰を上げて締め切りに向かって
大好きな草苺を描いた
なかなかデザインが決まらなかったけど
一応決めてデザインを貼って
白い花をカットしている
8センチの小さな盃
草苺の真っ赤な実と真っ白な花を彫ろうと思った
今日一日考えて 今から彫るには到底時間が足りない
とにかく小さなその中にたくさん 出来るだけリアルに表現したかった
しべは何本もあるけれど
一本一本取るのは嫌じゃない
むしろ楽しい
デザインもあれこれ考え出すと
固くなっていた概念が
少しずつ緩んでくるような気がする
描けば描くほど自由になっていくのかもしれない
何をどんな風に描いても良いはずなのに
描き始めはいろんな思いが邪魔する
でも仕上げて見ない事には
どこが好きなのかどうだったら良かったのかは
本当にわからない
とにかく仕上げて実際に実物を見ない事には
次なる一手が湧いてこないんだと思った
こんな小さなものにどれほどの時間をかけるのかと
以前だったらそう思ったかもしれない
高い値段は取れないのだから
さっさと済ませよう
でも私は今その小さなものに
たくさんリアルを入れたいのだ
どんな風に仕上がるのか見たいんだ
締め切りに間に合う 売れる売れないはどうでも良くなって
今一本一本しべをとる
そんな私が何か嬉しい
時間はたくさんある
常識ではアホかも
でも私にはそう思えない
きっかけは
展示会のお誘いで
締め切りのためにやり出した事だけど
今はどうでも良くなって とにかく
とことんやってみたい
ただそれだけだ