熊本空港からタクシーに乗った時、運転手さんが被災した話をしてくれたことがありまして。
せっかくなので、今日はその話を綴らせて下さい。
運転手さんは、こう言いました。
「あの地震を経験して、胸を張れることが1つだけで出来まして。」
そのまま、口調が本気の声色と化すのが分かりました。
「地震が来た瞬間に強烈なレベルのものだと感じたので、寝てたのにビックリして飛び上がっちゃったんですが、とっさに隣に寝てた女房を抱きしめたんです。」
運転手さんは、強い口調で話を進めます。
「地震が来て女房も当然ビックリしてたんですが、わたしが抱きしめたら、そのまま私の胸で小さくなって体をあずけてくれたんです。それが、恥ずかしながら・・・とても嬉しかったんです。」
そこからは、とても柔らかい口調でした。
「普段は何にもやってあげられてない男だけど、その時ぐらいは、ちょっと男らしい事してやれてるかなって。そんな事を考えられたから、冷静な状態で食器とかを片付けることが出来ましたよ。」
この運転手さんの話がカッコ良すぎるから、絶対に忘れない為に写真を撮らせてもらったんです。
ブレちゃいましたが。。。
とんでもない地震の中、とっさに奥さんを抱きしめた時、奥さんが身を預けてくれた事を喜びに思い、それを誇りに思うだなんて。
なんて素敵な方でしょう。
奥さんが大好きで、でも普段は控えめで。
そんな男が、絶体絶命に追いやられた時、身をもって奥さんを守ろうとした。
これぞ『男の中の男』の証明。
【想像を絶する恐怖に襲われてる時、自分の身を犠牲にして愛する者を包み込む男になれるのか】
なんて、普段いくら豪語してようと、いざという時になんなきゃ人間なんて分かりません。
でも、震災の経験や教訓を大事な日にしっかり学んで意識すること。これが《いざという時》に絶対に繋がる。その先に、愛する奥さんや子どもをとっさに守れる《男》が待ってる、そういう事ですよね。
最近は各地で強い地震が多いですし、予想外の災害も多いです。
何かと物騒だし、世界情勢も荒れに荒れてます。
こんな時こそ、あの運転手さんのように、胸を張れるもん1つは持っとかなきゃです。
必ずや、活かしますので。