
幕末の尊王攘夷派の論客で、策謀家・野心家でもある清河八郎(丹波哲郎)の最期を描いている。今年三月に亡くなった篠田正浩監督若かりし頃の作品で、妻の岩下志麻を起用しているのもこの頃から始まったことなのか。
幕府の命で清河の暗殺を命じられた佐々木唯三郎(木村功)が清河を付け回すが、北辰一刀流の達人である清河に一度道場の仕合で完膚なきまでに敗れていることが屈辱となり、なかなか清河を襲えない。だが後の新選組の源流となる浪士組を結成させ、得意の絶頂となって泥酔した清河に佐々木が急襲を掛ける。
清河の同志の一人に若き日の蜷川幸雄が、また狂言回し的な存在として坂本龍馬を佐田啓二が出演しており、名優たちが重厚なドラマを醸し出している。