地球規模で大停電が起こったある夜、世界はビートルズが存在しなかったパラレルワールドとなっていた。
そこに目を着けた売れないシンガーソングライターの主人公ジャックが、ビートルズの曲をコピーして大ヒットしていく(当然だが)という話。
パラレルワールドに存在しないのはビートルズ以外にも、バンドのオアシスやコカ・コーラなどもである。

いくら主人公がプロだといっても、記憶力だけでビートルズの殆どの曲を再現できるはずがないが、それでもビートルズの大ファンとしては、次々に名作が演奏され人々が熱狂するシーンは胸が熱くなる。
人気者となったジャックがファンに追いかけられる光景も、映画「ヤア・ヤア・ヤア」が彷彿されて愉快である。

ただちょっとずれているところもあって、アルバム発表するためにレコード会社の人間とジャケットの打ち合わせをすると、実際のアビイロードやホワイトアルバムのデザインはつまらないと却下されてしまう。

そして主人公がこの世界で人気者になって めでたしめでたしではストーリーとして面白くないので、やがて真実を告白することになる。
そのことを決意させたのが、この世界ではビートルメンバーではないので殺されなかったジョン・レノンと出逢ったこと。
78歳で船乗りとして穏やかな人生を送っていたジョン・レノンの姿は、感涙ものであった。

明るいコメディ映画なので、最後はそれなりのハッピーエンドとなる。ネットの評価は必ずしも高くないが、ビートルズ大好き人間にとっては、ロバート・ゼメキス監督の「抱きしめたい」と同じくかなりトキメキを感じる作品だ。