
シベリア抑留がアジア/太平洋戦争の敗戦がもたらした最も暗部のひとつであることはかなり以前から知っていたし、抑留者の帰国受け入れ港だった舞鶴にある引揚記念館も訪れ、ラーゲリでの悲惨な生活を感じたこともある。したがって本作の公開時は明るい内容にならないことを確信して、誰が見に行くものかと心に決めていた。
しかし今年、映画専門チャンネルで放映されたので、改めて観ることにした。
極寒の中でのラーゲリ生活は重労働・飢餓・衰弱死・故国に帰れない絶望と、やはり悲惨としか言いようのないものだが、それでも二宮和也ガ演じる主人公が希望を捨てず、自分を後回しにして仲間を励ます姿は、困難の中にある僅かな希望や明るさが感じられ、なぜこの人は絶望的状況でもそうした強さが持てるのかと感じた。
ついぞ日本に変えることができなかった幾多の魂に瞑目したい。