テキサス州の荒野で鹿射ちをしていたモスは、麻薬取引をめぐってメキシコ人マフィア同士が殺し合いをした現場を発見し、取引金200万ドルを持ち逃げする。

マフィアのひとつは、冷酷非道の殺し屋
アントン・シガーを追っ手としてモスに差し向けるが、これが悪党の域を越えたとんでもない男で、もう一方のマフィアの追っ手も含め、道中関わる者ほとんどを皆殺しにしてしまう。

モスはシガーに反撃を加えつつ、全身満夷となりながら、しぶとく逃亡を続けるが、その先にあるものは…?


アカデミー賞4部門受賞のサスペンスタッチの作品だが、ストーリー展開とラストの落ちが読めず、全体を通して解釈が難しいものだった。

まず、誰が主人公なのかがわからない。
トミー・リー・ジョーンズが保安官として、オープニングに声だけ登場するが、中盤に差しかかる頃まで本人が登場しない。
そして事件の後追いばかりで、ちっとも活躍しないのである。

大金を持って逃亡を続けるモス。ただ逃げ回るだけでなく、重武装し、果敢に反撃を加えるが、最後はプールサイドで呼び掛けられた娼婦?に気を奪われている間に、あっさりとシガーにやられてしまう。
逃げ切れる予感もあったのだが…。

そしてシガー。哲学を持っているのかいないのか、禅問答のような問いを殺す前の相手に投げかけてくる。この会話の訳のわからなさと、平然とまるで狩りを楽しんでいるかのように殺人を繰り返すのがコワイ。
「私を殺しても意味はない…みんな最期にそう言う。」不気味な言葉を残して。


この人物こそが真の主人公かもしれないが、そうだとしたら、彼の姿に作者のどんなメッセージが込められているのかがわからない。

そして先の展開の予測がつかないまま、尻きれトンボみたいに、物語は突然終わる。
当然ラストは保安官と殺人鬼との対決、そして殺人鬼は木っ端微塵の最期を遂げる…というのがパターンが予想されたが、そうはならない。

この不条理さ満載の作品を高評価した人は、すごいと思う。
拙者は何か風変わりな映画とは思ったが、シガーに底知れぬ恐怖感を感じた以外、作品テーマを解釈することができなかった。

よって評価は3だが、何回も見直すと、きっと見えてくるものがあるかもしれない予感がした。二度観たいとは思わないが。