遠藤周作原作のアメリカ制作映画。
江戸時代初期、ポルトガルから日本に渡った司祭が棄教して日本人として暮らしているという。
その真偽を確かめるため、二人の若い宣教師が日本に向かった。
彼らは五島列島に辿り着くが、そこで見たものは幕府によるキリシタンへの苛斂誅求であった。そして彼らは…。

キリシタン島民に対する残虐な処刑シーンがこれでもかと出てくる。焚刑・水刑・斬首・逆さ吊り…。これらを目撃する主人公ロドリゴは、棄教すれば島民の命を助けると迫られるが、激しく煩悶しつつこれを拒否する。その都度主イエスの声を求めるが一向に聞こえてこない。これがタイトルの由来である。

最初から最後まで重苦しい展開が続く。しかし信仰とは 、命とは、仲間とは…ということを深く掘り下げようとしていると思えた。

ところでロドリゴたちはポルトガル人だから、実際にはポルトガル語を使っているはずなのだが 、アメリカ映画なので英語で演じているのは仕方がないにしても、幕府の役人はおろか、名もなき島民までもが英語を話しているのは、さすがに無理があった。