悪魔に取り憑かれたという少女エミリーが、投薬治療をやめ、悪魔祓いの儀式を受けた。
だがそれからほどなく、エミリーは凄惨な衰弱死を遂げる。


適切な治療を受けさせず、迷信に基づく悪魔祓いを行ったために、未来ある少女の命を奪ったと、神父は検察から起訴される。


エミリーは本当に悪魔に取り憑かれたのか、それとも精神疾患が原因で幻視・幻聴の末、自傷行為で死んだのか?




これまでの映画のように、悪魔との戦いを描くのではなく、上記をテーマにした新しい視点かと思われた。



日本より信仰心の強いアメリカでは裁判として成立しているが、わが国ではまずこの争点の裁判にならないだろう。


昔「うしろの百太郎」という心霊もののマンガが一世を風靡したが、その中でも霊に憑依された女子高生が、精神病院に強制入院させられる話が出てくる。


そこでは間違いなく心霊現象の被害者なのに、病人として片づけられる「恐ろしさ」が主張されている。

それを読んだ当時は確かにその通りだと思ったが、今となっては判然としない問題だと思う。


この映画のラストで被告の神父は、玉虫色の評決を受けることになる。


実際には結局はそうならざるを得ないだろうなあ。
エミリーや神父、弁護士のエリンに悪魔が忍び寄るシーンが出てくるが、あれは観客に悪魔の仕業を示唆する映画の演出だし…。


これは事実に基づいた映画である…と冒頭に出てくるが、悪魔による殺人か、という争点の裁判が行われたということが事実ということなのだ。


評価3.5。