金城武、鈴木杏主演。

異星人ダグラの圧倒的な侵攻の前に、滅亡寸前の地球人。残された手段はタイムワープで異星人侵攻前の時代へ遡り、侵攻のルーツとなった最初の一匹(?)を殺すこと。しかし、戦闘の真只中、ワープゾーンに行こうとした正規軍兵士は、あっという間に全滅されてしまう。その時、ワープゾーンへ咄嗟に飛び込んだのは、ゲリラの少女ミリだった。

80数年前の過去へ行くことに成功したミリは、人身売買の闇取引を行うチャイニーズマフィア相手に大暴れしている男、ミヤモトの姿を見る。
軽やかで鮮やかな身のこなしと拳銃捌きのミヤモトに、ミリは使命への協力を懇願するが、ミヤモトはミリを「得体の知れないガキ」扱いし、話を信じようとしない。やむをえず、ミリはある非常手段を使ってミヤモトに協力させる…。

ストーリーの軸がどうしても「ターミネーター」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を想像させる。ミリが未来に"帰る"シーンも、徐々に体が透けてくる所が後者にそっくりだし、異星人ダグラも「ET」を彷彿させる。上記映画の美味しいところをまぜこぜにした印象。

また、タイムマシンものの映画も腐るほどあるので、そういう面ではストーリーに際立った真新しさはない。

過去の世界も2002年10月と映画公開当時の時間軸に合わせてテロップが出るが、2002年当時とはどこかかけ離れた、無国籍でパラレルワールド的な世界である。

ただ当時としては、VFXをかなり頑張って駆使している所はわかる。制作者にとって、相当なチャレンジだったはずだ。

また俳優陣も金城のクールで華麗なアクション、少年ぽいキャラクターだが、ラストで余情の残る優しさを表現した鈴木、そしてさすが元本物のワルとしての真髄を発揮し、極悪非道な敵役を存分に演じた岸谷五郎など、見ごたえはあった。

※お恥ずかしいのだが、私は鈴木杏という女優を知らなかった。その後の調べで、毎週見ているNHK大河「花燃ゆ」で、久坂玄瑞の愛娼・辰路役を演じていた女優だと知った。
また私は、金城武と竹野内豊もほとんど区別がつかないのである。
彼らのファンの方にとっては大変失礼なのだが…。

閑話休題。
評価は3.5と総合的にそれほど高い評価はつけないが、観て損はない映画だと思う。