
老捜査官のフランクは、今はちょっと頼りない若い相棒と危険な囮捜査を担当している。
だが、若い頃は敏腕なシークレット・サービスとして、ケネディ大統領を始め、4人の大統領の護衛を勤めたこともあった。ダラスでケネディを守ることができなかった悔恨の念を持つフランク。
そんな彼に謎の男から、大統領暗殺を示唆する怪電話がかかってくる。それは後に元CIA暗殺部隊で、国家に切り捨てられた恨みを持つリアリーだった。
敵味方の関係であるフランクに一方的なシンパシーを持ち、ゲームを楽しむように、毎回電話をかけてくるリアリー。
二人の男の壮絶な戦いが始まった。
老いたシークレット・サービスが、大統領護衛に再び着くなど、現実にはありえない。だが大統領の車に伴走してぐったりとなったり、風邪を引いて判断力があやふやになるところは、実際にはそうなっちゃうだろうな、というリアリティーがあった。
事件でがんばるだけでなく、美人捜査官もちゃっかりモノにしてしまうところが抜け目ない。
クリントがよく演じる、一匹狼的で傍若無人なキャラクターのアイデンティティも引き継がれている。
この手の映画は犯人役がうまく演じるかどうかも浮沈を握るが、その点ジョン・マルコヴィッチが底知れない不気味さをうまく醸し出している(この人、プーチンに一寸似ている)。
評価4。