実話から生まれた、予測不能な海洋クライム・アクション。
平凡な海女が密輸？！巨額の金塊を巡る、騙し騙されの大乱戦！
韓国映画のこの手の作品は面白いに決まってる！超楽しみに鑑賞！
映画「密輸 1970」
1970年代半ば、韓国の漁村クンチョンで海女として働く女性たち。
化学工場の廃棄物で海が汚染され、廃業の危機に直面している。
責任感が強いリーダーのジンスクは、仲間の生活を守るため決意。
海底から違法な密輸品を引き上げる仕事を、請け負うことに。
ムード歌謡のような音楽と、70年代のカラフルなファッション等。
時代の空気感を再現した世界が楽しくて、ワクワクが止まらない。
だが作業中に税関の摘発にあい、ジンスクは刑務所送りになる。
その際に親友のチュンジャだけが現場から逃亡し、難を免れた。
密輸を密告したのはチュンジャだと噂が流れ、傷付くジンスク。
これを機に、無二の親友だった二人の友情はこじれてしまう。
2年後、クンチョンに戻ってきたチュンジャは、ジンスクと再会。
密輸王クォンに脅され、新たな密輸の儲け話を持ち掛けるのだが。
ジンスクはチュンジャへの不信感が拭えず、猜疑心に揺れ動く。
その間、下っ端だったドリは野心家のチンピラにのし上がっていた。
平凡な海女の誰もが貧困に苦しみ、苦境に陥っている厳しい状況。
海女を操る密輸王と、手を組もうとするチンピラとの対立の構図。
さらに税関も加わり、裏切りと駆け引きの心理戦が繰り広げられる。
騙し騙され、誰が味方で敵なのか、二転三転するシーソーゲーム。
誰と誰が手を組んでいるのか分からず、翻弄されっぱなしだった。
常に裏側が明かされ、衝撃と驚きの連続でめちゃくちゃ面白い！
ついに、決起したチンピラたちとの壮絶な殺し合いバトルに発展。
バイオレンス描写も容赦なく、リアルで痛々しく本格的で大迫力。
ナイフや鉈を手に斬り合う凄まじさは、生々しくも興奮させる。
極悪非道な密輸王だが、チョ・インソンがかっこよくて素敵だった。
対するチンピラどもの「小物感」がすごくて、対照的でユニーク。
そして、人生の再起をかけた大勝負に挑む、激しい水中戦になる。
どこまでも強欲な男たちと、したたかな女たちとの見事な攻防戦。
サメまで襲い掛かるカオス状態に、もはや可笑しくて笑ってしまう。
だが、海の中を誰より熟知し慣れているのは、明らかなわけで。
海女としての意地とプライドを爆発させ、女の友情と絆を取り戻す。
欲望に溺れる愚かな男たちの逆手をとる逆転劇は、痛快で爽快。
人生再生の物語であり、海中で決着をつけた戦いぶりが素晴らしい。
最後の最後に、まさかあの人が！というサプライズも待っている。
この微笑ましい意外性あるラストに、ニンマリ、ホッコリだった。
犯罪だが応援してしまう奮闘ぶりが楽しい、クライム・アクション。
キム・ヘスとヨム・ジョンアのタッグも、素晴らしく見応えあり。
色んな要素が楽しめて、感動さえ覚える極上のエンターテインメント。
またも韓流クオリティ、スゲエ！と感心する、見事な作品だった。