知人が、湖のそばに別荘を持っていた。
その別荘からの景色というのが、春夏秋冬、
まるで別世界のように美しいらしい。
いいな。
静かな湖畔の森の中っていいな。
でも、あんまり虫が元気な森はこわいので、やっぱ欧州がいいな。
きれいな湖のそば、となると、オーストリア、ドイツ辺りをイメージする。
ザルツカンマーグートなんて、まさに理想的かも。
優しい鳥の声が、ちゅんちゅんと聞こえてきてさ。
いいよね、そういうの。
そんな風な憧れを、つい先日想像した。
そして今、私はまるで、それに近い状況で住んでいる。
全てが理想通りというわけではないかもしれないが、
私はこの部屋に来て、ふと思った。
想いは、実現する。
実は私は、今の職業に就くことを、高校卒業の時に宣言している。
宣言、とは大げさだが、その時仲の良かった友達数人と
お茶をしながら、将来の話になった時のことだ。
私が今の職業を呟いた時、友人は「ありえない」という顔をしていた。
私はその時、なぜそんなことを呟いたのか、実はよく分かっていない。
けれど、その時呟いたことも、その友人の呆れ顔も、
鮮烈に覚えている。
想いは、実現するのだ。
そして、想いを形にする言葉には気を付けた方がいい。
何気なく発せられた言葉ほど、実はとても真っ直ぐに
宇宙に届きやすいようだから。


