ある日、寝ようと布団に入るとドラムを叩いてる音が。
近くにドラムを叩けるような場所は無い。
約1km先にある練習スタジオから聞こえてくるのだろうか。
他の楽器の音は聞こえない。
しかも不定期に聞こえてくる。


寝てしまえば気にならないだろう。
そう思って瞳を閉じた。

いや、やっぱり響いてくるのが気になる。
音の発生源がわからないから対処のしようがなかった。

その日はとりあえず眠たくなるのを待った。
この仕事を始めてから一人暮らしをした。
12帖ワンルームの私だけの城。
と言うか、テーマは「地下秘密基地」。
別に地下では無い。
秘密結社に所属してるわけでも無い。
真っ赤な生地で雑にカーテンを作り、
真っ赤な合皮のソファーを置き、
間接照明をあちらこちらに配備。
部屋に金網を張り巡らせた。
常にお香を焚き、飲めないくせにお酒を常備。
60年代の音楽を聴きながら、古い洋画を静音で流す。
まさに私だけの秘密基地だった。

ところが、この秘密基地が壊されていく気がした。
ライブは全てを忘れさせてくれた。
幸か不幸か、言い寄ってくる男性もいなかった。
特殊なジャンルだったせいか、
ライブに来てる人のほとんどが一回り以上年上だった。
純粋に楽しめて、仕事でのストレスを忘れさせてくれた。

仕事では院長からのイジメが続いていた。
元々誰かをターゲットにしてイジメをするのが趣味だった人。
過去にいた人もみんな院長からのイジメで辞めていった。
しがみ付く理由は無いが、意地でも辞めなかった。

すると、体調に変化が現れてきた。