20代の事-11ある日、寝ようと布団に入るとドラムを叩いてる音が。近くにドラムを叩けるような場所は無い。約1km先にある練習スタジオから聞こえてくるのだろうか。他の楽器の音は聞こえない。しかも不定期に聞こえてくる。…寝てしまえば気にならないだろう。そう思って瞳を閉じた。いや、やっぱり響いてくるのが気になる。音の発生源がわからないから対処のしようがなかった。その日はとりあえず眠たくなるのを待った。
20代の事-10この仕事を始めてから一人暮らしをした。12帖ワンルームの私だけの城。と言うか、テーマは「地下秘密基地」。別に地下では無い。秘密結社に所属してるわけでも無い。真っ赤な生地で雑にカーテンを作り、真っ赤な合皮のソファーを置き、間接照明をあちらこちらに配備。部屋に金網を張り巡らせた。常にお香を焚き、飲めないくせにお酒を常備。60年代の音楽を聴きながら、古い洋画を静音で流す。まさに私だけの秘密基地だった。ところが、この秘密基地が壊されていく気がした。
20代の事-9ライブは全てを忘れさせてくれた。幸か不幸か、言い寄ってくる男性もいなかった。特殊なジャンルだったせいか、ライブに来てる人のほとんどが一回り以上年上だった。純粋に楽しめて、仕事でのストレスを忘れさせてくれた。仕事では院長からのイジメが続いていた。元々誰かをターゲットにしてイジメをするのが趣味だった人。過去にいた人もみんな院長からのイジメで辞めていった。しがみ付く理由は無いが、意地でも辞めなかった。すると、体調に変化が現れてきた。