ある高校生が自殺を図ったと言う話からこの物語は始まります。
その時に母親が思わず言葉に出した「愛能う限り育ててきた」というフレーズが
この本のキーワードにもなってます。
その子の母が旦那(父)と知り合ったきっかけから
娘が自殺をはかるまでの18年間を「母の回想」「娘の回想」から見た
文章で連なってます。
母は自分の母が大好き。
小さい時から母に褒められることで生きがいを得ていた。
結婚したのも母が彼を誉めたから。
結婚して一人の娘が生まれる。
彼女自身母に愛され自分も母を愛した様に
娘を限りなく愛そうと思ったが
ある日大雨の為洪水が起きて
不慮の事故でたまたま一緒にいた母が亡くなってしまう。
そこから彼女の思いとは裏腹に
波乱万丈な人生が待ってるというストーリーです。
私の場合あまり母親に対して
つい最近までどちらかと言うと嫌悪感を抱いていたので
この母の思いは理解できません。
そのせいか子供より母親を愛してるというニュアンスの文章が出てくるのが
とても恐ろしく感じたのです。
この母自身母親を亡くしてその代りに子供を愛そう愛そうと母の回想では書かれていますが
娘の回想では
「母のストレスのはけ口が寝ている私の背中に拳骨をあびせる事だった」と淡々と
書かれているところ。
愛と憎しみの紙一重な部分。
最後の章のハッピーエンドがなかったら
「告白」同様 喉にウナギの骨が刺さりっぱなしの状態のような
イヤーーーな気分が残っていたかもしれません。
(またそれが湊かなえの魅力ではあるんですが)
最後のハッピーエンドの章を見ると
あーーーー人生ってこういうもんなのかなぁと
改めて考えさせられた本でもありました。
あ。そうそう この母親の愛情。
私には皆無だけれど笑
ある俳優さんの奥様が自死した事件がありましたよね?
そのきっかけがお母様の死だったと。
そのことを思い出しましたね~。。。。
最近の湊かなえの小説は好きではなかったですが
この本はじわじわとくる恐ろしさを感じてしまい
ナカナカ面白かったでした~です。
まず!5日延滞。早く返却しなきゃ!!