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1人っ子で鍵っ子だった私、8歳のとき兄弟代わりにやってきたのは、

シーズー犬のメルちゃんだった。



『メルちゃんとタッドくん(?)』というアニメが昔やってたからと、母が名付けたメルちゃん。



私はメルを溺愛していた。


1人の留守番も怖くなくなり、メルがだいぶ大きくなって普段から柵から出せるくらいになると、
おすわり
お手
おかわり
ふせ
待て
ジャンプ
ゴロン(ふせから横に寝る)
お返事(ワン)

を根気よく次々に教えた。



私は学習塾と英語の塾に通っていて、留守番から時間になると1人で行っていた。


ある日、昼寝をしてメルを踏んづけて洗面器のお水に落としてしまい、死なせる夢を見た。


夢なのに、激しい妄想癖があった私は、メルを抱きしめて、離せなくて、初めて親に無断で塾をサボった。

夏期講習で、塾の帰りに毎日マクドナルドに寄って(マックのお姉さんと顔見知りになった(笑))、1人でハッピーセットを買って帰ってたべてる時、こっそりパンのところとポテトをちぎってあげた。

家族で車に乗るときはいつもメルも乗せていきたかった。


小学5年生のとき父が転勤になり、引っ越す事になった。
その時母が私に切り出した。『メルを誰かにあげようかと思う。』

私は固まった。


良い社宅に住むには、ペットNGのところばかりだったのだ。


私は全身全霊で泣きわめいて嫌だと言った。
メルは兄弟だ。置いていくなんてやだ。また1人ぼっちなんて、絶対やだ。


そのかいあって、社宅のランクはさげてもメルは連れていけることになった。



それからずーっとメルがいるのが当たり前だった。


メルにいたずらしたり、追いかけっこしたり、人形で遊んだり…
お散歩はほとんど父が連れて行っていたけど(笑)


メルは私の妹だった。


宝塚に合格して、メルと離れるのは寂しかった。


たまに実家に帰るとずーっと一緒にいた。


でも、犬だから、先に旅立つのは当たり前。


宙組
大劇場公演
炎に口づけを

その初日の前日の夜。


メルは旅立った。



ステラマリスの時から、メルは病気で死にそうだと言われてた。

実家に帰る度、びっくりするくらいパンパンに浮腫んだメルや、びっくりするくらいガリガリに痩せたメルを見ていたから…変われるなら変わりたかった。


メルはもともと股関節の手術をしたり、皮膚が弱かったりでしょっちゅう母が動物病院に連れて行ってた。


初日の前日、自分のマンションで周りの家の迷惑なんか考えず、朝まで泣き続けた。


家に帰ると足音が聞こえてしっぽをちぎれんばかりにふって出迎えてくれるメル。


水が大嫌いでお風呂に入れると、出たとき家中をしばらく全速力で走りつづけるメル。


怒られると腰を抜かしてほふく前進するメル。



私のことを1人ぼっちにしないでくれた、メル。



私は毎年、メルの命日は忘れて、メルの誕生日に手を合わせてる。



私の2ヶ月後の今日、


6月5日



メル、忘れないよ!
おめでとう!


もう少し先になるけど、必ず会える日がくるから!
虹の橋で待っててね。