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明日は半夏生〜シャラの木の花
今日は6/30早くも半年が経ちました。
明日は【半夏生】です。
【半夏生】は、二十四節気の《夏至》をさらに3つに分けた七十二候の中の雑節の一つで、雑節とは、二十四節気、五節句などの他に、日本独特の繊細で移ろいやすい季節を、より正確に把握するために作られた特別な暦日を指します。
昔から人々は、それを日々の生活の目安にしていました。雑節は古の時代に、農業や漁業などを行う時期を見極めるために成立したものです。
特に多くの人々が従事し、生きるために重要だった農耕は季節や気象に左右されることも多く、農作業の時期や節目を正確に見極める必要があったのでありますね。ほかに馴染みのある雑節といえば、八十八夜、入梅、土用などがありますね。
さて半夏生は、夏至から数えて11日目を指します。
初夏は農家にとって繁忙期になります。通常、田植えは4~6月までの間に行われるのですが、昔は養蚕などと兼業することも多かった為に、一連の作業を手際よくテキパキと終わらせるためには、スケジュール管理が重要で、そのための目安となる日を定めておく必要があったのです。
そこで半夏生といえば、誰に確認するまでもなく、その日までには田植えを終えておきなさい、という目安となっていました。
「チュウ(夏至)は外せ、ハンゲ(半夏)は待つな」
「ハンゲの後に農なし」「半夏半作」など、昔からの戒めも多くあって、半夏生より後に田植えをすると秋の収穫量が激減してしまうといわれています。
半夏生は農業において重要な節目だったのであります。その習慣は現在にも受け継がれる事に至っているわけです。
ただし、雑節は本州(=江戸)を基準に作られているため、地域によっては若干季節にズレがあります。
半夏生と言えば、この花があります。
名前も、そのものの半夏生ですね。
今、シャラ(ナツツバキ)の花も咲いています♪
夏椿(シャラの木)はツバキ科の落葉高木です。
椿に似た花を夏に咲かせるからというのが名前の由来。樹高5~7m、10m以上になることもある高木。
明るいグリーンの葉に滑らかな木肌をした軽やかな印象の樹木で、花が咲いていない時期も樹形が美しいので、庭木として好まれるほか、あちこちの公園や寺社などにも植えられていますよね。
見頃は6月後半から下旬ごろです。花径は5~7cm程度、花の中心部から突き出すようなしべ類は明るい黄色で、花びらは白く氷のような透明感があります。シャラの木の花びらは傷つきやすく、ぶつかった箇所から茶色く変色します。まぁ今の時期に咲く白花の樹木はみんなそうですね。クチナシ(梔子)もタイサンボクも白花の時は綺麗ですが、茶色くなってくるとねー🥺
◇ 科名: ツバキ科
◇属名:ナツツバキ属(Stewartia=イギリスの Bute侯 John Stuart(公式には屡々 Stewart と書かれた,1713~1792)の名に因んでます)
◇学名:Stewartia pseudocamellia(pseudocamellia=偽の camellia,ツバキに似たもの)
花が咲いているのは1日だけです。
咲き終わった花は、椿の花と同じように花首から、ぽとりと地面に落ちていきます。以前にも説明した事があるのですが、「シャラの木」という別名が付けられた由来は、お釈迦様が入滅するときに近くに生えていたと言われる沙羅双樹に似ているからとのことです。
但し、本来の沙羅双樹は、フタバガキ科のサラノキ(Shorea robusta)という植物。
サラノキは熱帯から亜熱帯産なので、日本の冬には耐えられません。そのため日本の寺院では夏椿(シャラの木)をサラノキの代わりとして植えるようになりました。
♠︎沙羅双樹♠︎お釈迦様が入滅するときに近くに生えていたと言われる1対のサラノキのことで、フタバガキ科のサラノキが2本セットで1対、つまり4本がお釈迦様を囲むように生えていたそうです。
さらには、お釈迦様の入滅後と同時に、咲き誇っていた白い花が一斉に枯れ散ってしまったとも伝えられています。
よく似た花でヒメシャラがあります。
違いは、シャラの木の葉は無毛で、葉柄が短く、葉脈がはっきりとしていますが、ヒメシャラの葉は葉裏に細かな毛があり、葉柄が長く、葉脈はそれほど浮き出ていないのが特徴。木肌も、シャラの木は木肌が滑らかでベージュがかった灰褐色で、迷彩柄のような斑があります。
ヒメシャラの木肌は、ベージュのような褐色で、斑がシャラの木より小さく細かいです。
コチラはヒメシャラの紅葉
◇ 科名: ツバキ科
◇属名:ナツツバキ属
◇学名:Stewartia monadelpha(monadelpha=単体雄蘂(ユウズイ)の)