あれ?ここはどこだ?


気がついたら僕は海の上にいた

小さな小船にひとりきり

小船にあるのは船を漕ぐオールだけだ


僕はあてもなく船を漕ぎ出した

しばらく漕ぐと、広い海原にポツポツと島々が微かに見えた


どこでもいいからとにかく近い島を目指そう

僕は早くどこかの島に着きたくて微かに見える島に向かってがむしゃらに舟を漕いだ


船なんて漕いだことないからしんどいな


体力のない僕はすぐに疲れてしまった


よし休憩だ!


僕は船の上で眠りについた


あ〜よく寝た

あれ!?島が見えないぞ


かすかに見えていたはずの島がどこにも見えなくなっていた


寝てる間に潮に流されてしまったんだ

くそ!なんで寝てしまったんだ!


僕は絶望した


ふと足元を見ると一枚の地図が落ちていた

その地図にはたくさんの島が描かれていた


これってこの海の地図なのかな


よーく見ると足跡のように船の航跡が描かれていた

船が進むごとにその航跡もどんどん描かれていっている


すごいぞ!

この地図さえあれば島に辿り着けるぞ


しかし寝ている間にこんなにも島から離されてたんだ…

潮の流れは怖いな

休んでる暇はないな


僕は地図を頼りに近くの島を目指した


このドクロのマークは何なんだろう?


地図に載ってある島々には何故かドクロのマークが描かれていた


ドクロマークは危険な島なのかな?

あれ?この青い島はドクロマークがないぞ


たくさん島がある中の青い島ひとつだけがドクロマークのない島だった


ん~やっぱりドクロのマークは危険だよなー

でも青い島は一番遠いな


僕はしばらく考えたが、ビビリな僕は青い島を目指すことにした


地図があるお陰で落ち着いて船を漕げるようになった


ん?誰かがこっちに来るぞ


こんにちは〜

私、ある島に住んでるんですけど

もし良かったら来ませんか?


申し訳ないんだけど、僕目指してる島があるので…


そうなんですね

でもそっちの方角は小さい島しかありませんよ

うちの島は大きくて食料もたくさんあって楽園ですよ!


僕は楽園という言葉に少し心が揺らいだ

いや…だめだだめだ地図を信じよう


すみません、僕目指してる島にどうしても行きたいので


そっか〜残念、さようなら〜


僕は、再び青い島を目指して船を漕ぎ出した


途中、幾つかの島の近くを通りかかった

地図にはドクロマークの描かれている島ではあったけれど、海岸沿いには美味しそうなフルーツの木が植わっていたり

楽しそうに遊んでいる人たちもいたりして、本当に楽園のようにみえた


ドクロマークなのに楽園のようじゃないか?

ドクロマークというのは一体何なんだ?

本当にこのまま青い島を目指していいのか?


僕は楽園のような島を見て、また心が揺らいだ


いや…だめだだめだ最初の思いを信じよう


僕は再び青い島を目指して船を漕ぎ出した


あと少しだ!



つらいよー


潮の流れに逆らって船を漕ぐ時はものすごく苦しい

僕は必死で船を漕いだ

絶対にたどり着いてやるぞ!!



あ!あれだ!!


僕は目的の青い島を見つけた


その青い島はとっても小さくて、楽園とは思えないような島だった


なんだか小さくて何も無さそうな島だけど大丈夫なのかな…


…急に薄黒い雲が空を覆い、風か強くなってきた


やばい!嵐が来る!


僕は急いで船を漕ぎ青い島に漂着した


嵐は直ぐにやってきた

海は荒れ大波が立って、漕いできた船は一瞬で波にのまれ消えていった


良かった〜嵐の前に辿り着けて…

あれ!?


僕はあることに気がついた


周りの海や島々は嵐で荒れているのに、この青い島は風一つ吹いていなかった


青い島の中はまるで何かに守られているように穏やかだった



この島は何なんだ!すごいぞ!

やっぱりこの島だけが安全な島だったんだ!

信じてきて良かったんだ!!





おしまい



読んでいただきありがとうございました!




絵「 神様(腸)の舟 」