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おはようございます。
「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～新しい畳を創造するのじゃな～
私は、雲十郎さんの言葉に、何も言うことが
できずにいた。
私は、しっかりと、はっきりと、雲十郎さんに
見抜かれていたのだ。
恐らく、私の製作した畳には、そのことが
施されていたに違いない。
雲十郎さんとは、そういった、ことが、よく
わかる人物なのだ。
もしかしたら、畳を見たら、その製作した人の
体調や、性格、今朝食べてきたものまでわかる
かもしれない。
だから、私は、特別驚くことはなかった。
それは、何もよりもわかりやすいメッセージ
だったのだから。
「お主は、ここではやれることは、やり切った」
「そうじゃな？」
私は、緊張感を増した、というより、
何か別れがきそうな予感がして、寂しい気持ちに
なっていた。
でも、私は、きちんと答えたかった。
「はい、その通りだと感じています」
「私は・・・」
雲十郎さんは、その後の言葉を丁寧に
紡いでくれた。
「新しい畳を創造するのじゃな」
やはり、雲十郎さんには、何もかもお見通し
だったようだ。
私は、「はい、そのつもりです」
「ふぉふぉふぉ」
「おめでとう」
雲十郎さんは、そんな私を、どうやら
心の底から祝福してくれているようだった。
私は、やはり、性懲りも無く、涙が
止まらなくなっていた。
雲十郎さんとのこの5年間が、ありきたりだが、
走馬灯のように光景が流れていった。
【終わり】
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