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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～私は私の部屋の中へと入っていく～
私は、私の部屋の中へと入っていった。
私が、畳職人として仕事をする白雲畳店の
奥にある、この部屋は、私が間借りしている
のだ。
そして、私は、引き戸を開ききり、
そのまま部屋の中へ入っていったのだ。
やはり、誰もいなかったし、誰か私以外の
人間がいた形跡もなかった。
もしかしたら、あの人物も私だったから、
そうした感覚になったのかもしれない。
そうしたことは、今回は、置いておく
ことにした。
私は、私の部屋に入り、持ち帰ってきた、
銭湯で使った道具を片付ける。
いつものリズムだった。
むしろ、少し軽快だったかもしれない。
そのことに、誰かが指摘してくるわけでもなく、
私は、いつも座る部屋の中央へとやって来て
いた。
そして、ちょっとした机の前に、腰を
降ろすのだ。
ゆったりと時が過ぎているのだ、という
ことを感じていた。
そして、何か焦ろうという気もさらさら
なかったのだ。
私は、せっかくだから、このゆったりと
流れる時に、逆らうことなく、漂ってみようと
思っていた。
だから、私の生命もゆったりと流れている、
そのこともわかった。
【終わり】
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