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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～躊躇いながらも引き戸を開いていった～
私は、白雲畳店の奥にある自分の部屋の
前に立っていた。
そして、その引き戸を開くのかどうか、
躊躇いをみせていたのだ。
でも、開かなくては、家に帰ることが
できない。
そうした現実的なことを考えても、
そろそろ引き戸を開いた方がいいのだ。
私は、躊躇いながらも、その引き戸を
開いていった。
やはり、一気に開くよりも、ゆっくりと
開くことにした。
ゆっくりと開いていけば、そこに映る
世界が、どうしたものか、ゆっくりと
認識できるからだ。
最初の方では、何もわからなかったが、
徐々に開いていくと、その世界がどのような
ものか認識できるようになった。
その頃には、私の胸の高鳴りは収まって
いっていた。
そう、引き戸を開ききったとき、そこに
映る世界は。
紛れもなく、いつもの日常だった。
私が、5年間ほど住まわせてもらっている、
その部屋が広がっていたのだ。
やはり、私はホッとした。
もう、先ほどのような新しく別の世界を
体験するのには、人間の私には疲れて
しまうような気がしたからだ。
そう、私は、私の部屋に舞い戻ってきたのだ。
【終わり】
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