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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～私は、銭湯までの道をゆく～
私は、白雲畳店から、出て、いつもの
道を歩いていた。
それは、私が足繁く通っていた、銭湯への
道だった。
私は、銭湯までの道をゆく、のだ。
手には、たらいとタオルを持っていた。
歩いている頃には、何か無意識的に
なっていて。
あたりの景色などは、記憶には残らない
ほど、当たり前に過ぎていっているようだった。
そのまま歩いている内に、私は、不思議な
感覚になった。
ここは、どこだろう私の知識で言葉に
するのならば。
朱に染まる平城京というような
感覚だった。
朱に染まった木でできた、日本のお城。
とでも言ったらいいだろうか。
私は、銭湯までの道を進んでいたはずだったが、
そうした感覚へと変わっていったのだ。
そのときも同じだろうか、何かその赤いお城で、
風呂のようなものに入ろうとしていたのだろうか。
何か、清めるような、洗うような、そうした
感覚が湧き上がっていた。
というよりも、私は、銭湯までの道をゆくのと、
その赤いお城で清めようと歩くのとが、完全に
重なり合っていっているようだ。
この感覚は、何なのだろう。
不思議だが、そう感じているのだから、
夢だと言われても、困ってしまう。
私は、とりあえず、身を預けて歩き続ける
ことにした。
【終わり】
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