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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～私の部屋が何も変化していないように感じた～
私は、白雲畳店の奥にある、私の部屋の中に
いた。
部屋は和室なのだが、その中心にちゃぶ台を
置いている。
私は、その部屋の中心でもある、ちゃぶ台の前で、
辺りを見渡していた。
私が、感じたのは、私の部屋が何も変化を
していないのではないか、ということだった。
私が、先ほどまで見ていた、平安時代の貴族のような
人物が、書をしたためる、そんな光景は、いったい
何だったのだろうか。
あれほどまでに、はっきりと見た光景が
あった後だが、何も変化していないように感じるのだ。
至って、単純に、私は不思議に感じた。
いや、でも、まさか、ということもある。
私は、好奇心もあったのか、私が愛用している
ちゃぶ台をくまなく調べてみることにした。
もしかしたら、貴族のような人物が残した
墨や、巻物のような紙、筆の残りなどが
あるかもしれない。
ちゃぶ台に、もしかしたら、文字が残って
いるかもしれない。
そう思いついたのだ。
私は、自分の部屋に入って、腰を下ろさずに
こんなにもいたことはなかったに違いない。
ようやく、私は、私の部屋にあるちゃぶ台の
前に、腰を下ろすことにした。
なぜだか、まるでスローモーションのように、
私は、ちゃぶ台の前に腰を落ち着けていったのだ。
【終わり】
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