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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～その戸はするすると開いていった～
私は、白雲畳店の奥にある自分の部屋へ
やって来ていた。
そこで、しばらくの間、部屋の中を
鑑賞することになる。
それは、平安時代の貴族のような人物が
そこにいたからだ。
ひたすらに、その貴族のような人物は、そこで、
書をしたためていた。
私のことに気が付く様子もなく、ただ
ひたすらに書をしたためるのだ。
そして、私は、貴族のような人物と、
おそらく同意した上で、戸を閉めた。
戸を閉めたからには、やることが
あった。
それは、私が、通常通り、帰宅するように
戸を開けることだった。
私は、戸を開けていったのだ。
戸は、するするとまるで自動的に
開いていくかのように、開いていった。
その戸は、するすると開いていったのだ。
そこに、何の滞りもなかった、むしろ
滞りなんて、もうどこにもなくなったと。
そう言われているような気さえした。
それくらい、その戸は、するすると
開いていく。
私は、その戸の動きを目で追うように、
行方を追っていたのだ。
【終わり】
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