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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～私は、部屋の戸を開けた～
私は、白雲畳店の2階にある部屋の前で、
戸に手を掛けていた。
ここは、私が、雲十郎さんから借りている
部屋なのだ。
私の住まいと言ってもいい。
そして、私は、右手でその戸をゆっくりと
開いていった。
先ほどから感じていた、懐かしさと
燃えることのない情熱を灯し続け。
部屋の戸は、静かに姿を見せてくれて
いった。
私の感覚が変になったのか、そのスピードは
恐ろしくも緩やかだったのだ。
しかし、なぜだか、私の部屋の中は、よく
見えない。
光っているという浅はかな表現では
物足りない気がした。
そして、そのゆっくりと開いた戸は、
あるとき、開ききっていた。
もう、これ以上は開くことがない戸。
そして、私は、右手を戸から手放す。
目の前の部屋は、やはり、はっきりと
見えなかった。
「あ！」という感覚に包まれる。
【終わり】
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