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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～階段を上がりきったところ～
私は、白雲畳店の奥にある階段を
ひとつひとつ上っていった。
なぜかと言えば、その先に、私が
住まいとしている部屋があるからだ。
そうだ、私は、白雲畳店の中で、なぜだか
住み込みのような形で寝泊まりをしている。
それこそ、畳と一日中向き合う時間を
作るためだったのかもしれない。
私は、そうして、いよいよ階段を
上りきった。
そこは、いつもの踊り場だ。
ふいに、階段の下を振り返ろうかと
思った。
でも、きっと、そこには、雲十郎さんが
いそうな気がする。
私が、ひとつひとつ階段を上るのを
見護ってくれていたのかもしれない。
とても、ありがたい。
だから、私は、振り返ってみるのは
やめることにした。
私が、それを感じているのならば、
それでいい。
私は、雲十郎さんに思った。
「いつも、ありがとうございます」
この踊り場にも、畳の匂いがやって
来ていることにも気が付いた。
【終わり】
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