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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～母に連れて来てもらったお蕎麦屋さん～
私は、母とお蕎麦屋さんに向かいながら、
急に思い出したことがあった。
それは、私が中学生くらいの頃だろうか。
どこか、敏感な性格だった私は、新しい
環境に馴染むのに苦労をすることが多かった。
小学校から中学校、その環境の変化は、
私にとっては、ずいぶんと堪えたのだ。
時には、熱が出ると言う形で、その反応が
でることもあったくらいだ。
そんな中学校に入学をした頃のこと
だろうか。
私は、そうした環境の変化で、疲れて
いたのかもしれない。
私は、特にそれを母に言ったりはして
いなかったが。
母は、私のことを理解していたのかも
しれない。
そうしたとき、必ず、母は、私に
「たまには外食しようか？」と
言って、外に連れ出してくれるのだ。
そんなとき決まって訪れるのが、
今回行こうとしているお蕎麦屋さん
なのだ。
すると、私は、不思議と心底安心した。
なぜだか、わからないが、護られている
感覚があったのか、安心したのだ。
そんなことを、突如思い出す。
私は、母と並んで歩きながら、胸がキューッと
する感覚を覚えた。
その頃のことを思い出したのかもしれない。
「そんなこともあったな」
私は、呟くようにそう言った。
母は、わかっているよと、言うわけでもなく、
にこやかに私を見ていた。
【終わり】
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