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「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～見上げる畳屋さん～
私は、一軒の畳屋さんの前で、
立ち止まっていた。
肩からかけていた鞄が妙に重たい
気がする。
ここまで、たくさん歩んできた
からだろうか。
目の前の畳屋さんは、木造の一軒家
という感じだった。
古いのだろうが、その古さを感じさせない
生命力を感じている。
それは、活気があるということではなく、
活きた畳を提供している、そんな感覚だった。
私は、しばらく畳屋さんをじっくりと
眺めていた。
その間に、何人もの人たちが通り過ぎて
いったが、私を怪しむ人もいなかった。
畳屋さんには、畳が飾られていたが、
中の方まではみることができなかった。
遠くの方から、ばたばたと作業を
行う音が聞こえてくる。
私は、その音に集中してみたりも
した。
そして、今更ながら、畳屋さんに看板が
あることに気が付く。
「白雲畳店」
私の視線は、その看板に集中した。
看板は、やっぱり木造りで、深い茶色の
色をしている。
そこに、太い筆で書いたように
「白雲畳店」と書かれていた。
【終わり】
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